地方創生を首都圏から考える 人口減少は東京一極集中によって起きている。これが政府の示す地方創生が取り組む問題の基本図式である。 ところが、2015年6月に発表された「まち・ひと・しごと創生基本方針2015」の副題、「ローカルアベノミクスの実現に向けて」が示すように、その対策の中心は地方の仕事づくりであり、地方は「稼ぐ力」をつけて東京に対抗する経済を作りなさいという方向へと流れてしまった。 だが、人口減少の原因が東京一極集中にあるのなら――そして事実、子育て世代が最も多い東京で極端に出生率が低いのだから――、東京でこそ、少子化対策を行わねばならず、またもっとも仕事の多い東京でもっとも出生力が低いのだから、地方や農村においても仕事づくりではなく、もっと別の対策が行われる必要があるはずだ。 私たちは今一度、こう問わねばならない。 人口減少は一体何によって引き起こされているのか。東京一極集中の何が