過去最高部数を“花道”に休刊した映画月刊誌「映画秘宝」。マニアックな娯楽映画ファンと一般の映画好き、両方をターゲットに誌面を作り、休刊まで部数は右肩上がり。紙媒体に特化する一方で、SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)を積極活用。ネットユーザーの認知と関心を引きつけ、雑誌購入に結びつけてきた。最後の編集長となった岩田和明さん(40)が語る部数拡張の戦略は、苦境にあえぐ出版界にとっても示唆に富むだろう。【勝田友巳】 ストーリー性のある特集で、1本の娯楽映画のような読み物に ――映画は間口が広いですから、ファンの層も広い。映画マニアと一般のファン、両方を楽しませる誌面作り、至難の業でしょう。 ◆「映画秘宝」創刊編集長で、映画評論家の町山智浩さんが「映画よりも活字が面白くなければ、活字で映画を紹介する意味がない」と言っています。だから、読み物としての面白さは常に追求していますね。僕は、