ロスアラモス国立研究所で原爆開発のための「マンハッタン計画」に参加することになった、最恐の天才フォン・ノイマン。人類史上初の核実験は大成功を収め、日本への原爆投下は刻々と迫っていた――ノイマンの生涯と思想に迫った本日発売の最新刊『フォン・ノイマンの哲学』の一部を特別公開します! 「爆縮型」原爆の設計 ロスアラモス国立研究所顧問として、ノイマンが中心になって推進したのが「爆縮型」原爆の設計である。これはノイマンが発見した重要な理論の一つだが、原爆の威力を最大限にするためには、落下後に爆発させるのではなく、上空でプルトニウムに点火させる必要があった。 そこでノイマンらが考えたのは、臨界点に達していないプルトニウムの周囲に32面体型に爆薬を配置して、一定の高度で爆薬に点火、その爆発の衝撃によってプルトニウムを臨界量に転化させる方式である。彼らは、この一連のプロセスを正確に制御するための複雑な数値
![京都への原爆投下を主張したノイマンの「悪魔性」と「虚無感」(高橋 昌一郎)](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/d11d3269f7feec46d89c02bbf3a5464a41958169/height=288;version=1;width=512/https%3A%2F%2Fgendai-m.ismcdn.jp%2Fmwimgs%2Fa%2Fc%2F1200m%2Fimg_ace9b7961d0b2bb613841f4e3eeead5578854.jpg)