前回のエントリー記事「移民問題を問う」にさまざまな意見をいただいた。週刊木村剛でも移民問題が取り上げられるなど、この問題に関して少しづつ議論が進みはじめていることは喜ばしいことである。 生 産年齢人口の割合を維持しようと考えたら、必然的に移民を受け容れざるを得ないという議論から始めたわけだが、そうした経済的な観点からのみ「移民問題」 は論じることはできない。なぜなら移民問題は、国民国家としてのアイデンティティのありかたに直接関わることだからだ。この点については、意見を寄せてい ただいた方の中でも、単に数合わせのために移民に門戸を開くのは危険と指摘する声が多かった。 移民国家、国民国家のどちらを選択するのか 実 際、新しい移民政策に転換し、計画的、戦略的な移民の受け容れに踏み切ったドイツでも、この転換によって、「移民国家になるのか、国民国家の枠組みは維持 するのか」という問題を巡って喧々囂々