今回も前回と同様、仕事の「上流」と「下流」、言い換えれば「問題発見」のフェーズと「問題解決」のフェーズでの価値観の相違について見ていきます。前回に続いて「下流の常識は上流の非常識」の他の例について考えてみましょう。 「コミュニケーション能力の高い人材を求む」 「ほうれんそう(報告・連絡・相談)は仕事の基本中の基本である」 これらは会社でよく聞かれるフレーズではないでしょうか? まさに会社の「常識中の常識」と言ってもよい言葉と言えます。今回はこの「常識」を改めて考え直してみたいと思います。 「下流」に行くほど伝達を重視する ICT関連の仕事に限らず、私たちの日常の仕事というのは、提案書を作ったり、プレゼンテーションをしたり、伝票を切ったり、説得や交渉をしたりといった形で、基本的には「創造する」という要素と、そこで出来上がったものを「伝達する」という要素からなる一連の流れで成り立っています。
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