タグ

ブックマーク / econ101.jp (61)

  • ジョセフ・ヒース「なぜカナダの大学教授は学生を恐れないのか:アメリカの大学がポリティカル・コレクトネスに席巻された理由」(2015年6月8日)

    ジョセフ・ヒース「なぜカナダの大学教授は学生を恐れないのか:アメリカの大学がポリティカル・コレクトネスに席巻された理由」(2015年6月8日) カナダのジャーナリストが陥りがちな怠惰な習慣の一つが、カナダとアメリカが同じ国であるかのように語ってしまうことだ。アメリカで何が悪いことが起こっていると、カナダでも同じことが起こっていると彼らは思い込んでしまうことからも明らかで、この思い込み故に彼らは実際の取材に赴かない。 大学が最近「ポリティカル・コレクトネス」に席巻されているのを懸念する件でもこれを観察することができる。アメリカで、大学教授達がトラウマを負っている話が多く報じられ、なぜ学生を怖がるようになってしまったのかが解説されている。また、アドミニストレーター〔アメリカの大学の学生課の職員〕は、デリケートさを募らせている学生を不快にするのを恐れるあまり、学生に隷属してしまっていたり、傍観を

    ジョセフ・ヒース「なぜカナダの大学教授は学生を恐れないのか:アメリカの大学がポリティカル・コレクトネスに席巻された理由」(2015年6月8日)
    shinichiroinaba
    shinichiroinaba 2023/10/27
    盛大に喧嘩を売ってる
  • ブランコ・ミラノヴィッチ「ウクライナにおける現在の戦争の起源についての通説と真因」(2022年12月25日)

    現在の紛争の根源は、歴史的なものであり、共産主義連邦の初期設定や共産主義の発展モデルの経済的失敗に起因していることを見なければ、現在の紛争や未解決の紛争、そして今後起こりうる紛争を理解することはできないだろう。 第一の説:「民主主義と専制主義の対決」 この説が最も有力とされている。紛争を民主主義と専制主義の戦争とみなすものだ。この説は、ロシアは独裁者によって統治されている、ウクライナは選挙で民主的に選ばれた大統領によって統治されているとの事実をベースにしている。しかし、この見解は、2004年のウクライナの政権交代は不公平な選挙に対する社会的反乱の結果だった、2014年の政権交代は合法的に選出された政府に対するクーデターだった、といった多くの事実を無視している。さらに、ウクライナは、戦争前も、2014年以前も、旧ソ連邦の構成国で最も失敗した国家だった。汚職のレベルは極めて高かっただけでなく、

    ブランコ・ミラノヴィッチ「ウクライナにおける現在の戦争の起源についての通説と真因」(2022年12月25日)
    shinichiroinaba
    shinichiroinaba 2023/01/10
    “〔共産主義連邦下の〕共和制国家のエリートたちが自国構成員の民族主義的な利益を守れば、経済的失政をごまかせる政治体制が備わっていた”
  • アセモグル et al. 「AIと雇用:合衆国における求人からの証拠」(2021年3月3日)

    [Daron Acemoğlu, David Autor, Jonathon Hazell, Pascual Restrepo, “AI and jobs: Evidence from US vacancies,” VoxEU, March 3, 2021] 人工知能技術が急速に改善するにつれて,それが労働者たちにおよぼす影響に関心が高まっている.コラムでは,2010年以降に投稿された求人広告でのスキル要件に関するデータを用いて,人工知能が合衆国の労働市場におよぼした影響を検討する.我々の推定からは次のことがうかがえる.すなわち,特定のタスクでこそ AI が労働者に置き換わりはじめているものの,いまのところ,労働市場全体では影響をおよぼしているようには見えない. 人工知能 (AI) とは,知的にふるまうアルゴリズムの一種をさす.すなわち,構造化されていないデータ(たとえば人のおしゃべりや

    アセモグル et al. 「AIと雇用:合衆国における求人からの証拠」(2021年3月3日)
  • ピーター・ターチン「2020年11月のアメリカ:アルファ・ケンタウリからの構造人口動態による観察」(2020年11月1日)

    ピーター・ターチン「2020年11月のアメリカ:アルファ・ケンタウリからの構造人口動態による観察」(2020年11月1日) America in November 2020: a Structural-Demographic View from Alpha Centauri November 01, 2020 by Peter Turchin このブログの読者ならご存知のように、構造人口動態の理論家達は、革命や内戦の原因を2つに区分している。構造的な動向は、ゆっくりと形成され、かなり予測可能なものとなっている。そして、トリガーとなるイベントは、はるかに予測困難、あるいはほとんど予測不可能である。この見解に従えば、革命は地震や山火事のようなものだ。毛沢東がかつて書いている。 「1つの火花が大草原の火事を引き起こすことがある。火事に必要なのは燃料だ――つまりは枯れ草であり、枯れた植物が倒れて徐

    ピーター・ターチン「2020年11月のアメリカ:アルファ・ケンタウリからの構造人口動態による観察」(2020年11月1日)
    shinichiroinaba
    shinichiroinaba 2020/11/11
    “大衆の反乱から、革命が成功することはめったにない。反体制派のエリートが大衆を動員し、自らの政治的アジェンダを促進させる支配層の分裂が、最も重要な要素となっている。”
  • ボールドウィン & ディ=マウロ「コロナウイルス感染拡大時の経済学:序文」(2020年3月6日)

    [Richard Baldwin & Beatrice Weder di Mauro,”Economics in the time of COVID-19: A new eBook,” VoxEU, March 6, 2020] 新しいコロナウイルスは,古くもあり新しくもある.このパンデミックも通例どおり総需要と総供給の両方に対するショックとなっている.だが,今回は中国が発生地となりしかも最大の打撃を受けたこと,そして,それにともないサプライチェーンにさまざまな影響が生じたことは,新しい.このコラムでは,COVIC-19 の経済問題に関連する多様な話題について,指導的な経済学者たちが執筆した14編の論考を集めた Vox eBook の新著を紹介する. 編者の註記: このコラムは,COVIC-19 の経済問題に関連する多様な話題について指導的な経済学者たちが執筆した14編の論考を掲載した V

    ボールドウィン & ディ=マウロ「コロナウイルス感染拡大時の経済学:序文」(2020年3月6日)
  • ジョセフ・ヒース「『批判的』研究の問題」(2018年1月26日)

    [Joseph Heath, “The problem with “critical” studies,” In Due Course, January 26, 2018] 学部生だった頃,こんな風に思っていた――《「客観的」「価値自由」なやり方で社会現象を研究する実証主義が社会科学で蔓延しているのは世界の災厄だ.そんなものは幻想だ,というか有害な幻想だ.だって,客観性をよそおいつつ,その裏には隠れた目標があるんだから.つまり,支配しようという利害関心をもってるんだ.人々を主体ではなく研究の対象として扱うなんて政治的に中立じゃない,だってそうやってうみだされる知識ってのは,どういうわけかうまいぐあいに,まさに人々を操作し管理するために必要とされるたぐいの知識になってるもの.つまり,「客観的な」社会科学はちっとも価値自由なんかじゃない,むしろ抑圧の道具になってるじゃないか.》 これに替わる選

    ジョセフ・ヒース「『批判的』研究の問題」(2018年1月26日)
  • ジョセフ・ヒース「社会構築主義:基礎編」(2018年5月26日) — 経済学101

    Social constructivism: the basics Posted by Joseph Heath on May 26, 2018 | philosophy 筆者の同僚のジョルダン・ピーターソンがこれほどの有名人になった理由の一つは、彼の批評の多くがあまりにも難解だからだ彼の批判者の多くがあまりにも混乱しているからだ。ピーターソンの論争は、(このようなたとえ話が許されるなら)ナイフでの白兵戦に銃を持ち込む奴のように見えることが一度ならずあった。このことは、ピーターソンの社会構築主義に関するさまざまな議論で特に顕著であり、その中には「樽の中の魚を撃つ」(訳注:アホらしいほど簡単な、という意味の慣用的比喩)ような質の議論もあった。その主な理由は、何かが「社会的に構築された」と言うことが何を意味するのか、そして、それが政治的に何を意味するのかについて、学者や運動家を含む多くの人たち

    ジョセフ・ヒース「社会構築主義:基礎編」(2018年5月26日) — 経済学101
  • ド・ブロムヘッド&アイケングリーン&オルーク 「1930年代の大恐慌下において極右勢力の台頭を支えた要因は何か?」

    ド・ブロムヘッド&アイケングリーン&オルーク 「1930年代の大恐慌下において極右勢力の台頭を支えた要因は何か?」(2012年2月27日) ●Alan de Bromhead, Barry Eichengreen and Kevin O’Rourke, “Right-wing political extremism in the Great Depression”(VOX, February 27, 2012) 世界中を巻き込む経済危機が長引くにつれて、1930年代と同じように、政治的な過激主義が勢いを増すのではないかとの恐れが広がりつつある。①民主主義を採用してからの歴史が浅く、②極右政党が既に議会でいくつか議席を得ており、③新政党が議会で議席を獲得するハードルが低い仕組みの選挙制度が採用されているようだと、政治的な分裂が生じたり過激主義が台頭したりする危険性が高まる傾向にあるが、④景気

    ド・ブロムヘッド&アイケングリーン&オルーク 「1930年代の大恐慌下において極右勢力の台頭を支えた要因は何か?」
  • アレックス・タバロック「国際的な数学の才能の無駄遣い(の改善)」(2018年7月18日)

    [Alex Tabarrok “The Misallocation of International Math Talent,” Marginal Revolution, July 18, 2018] 豊かな国ほど,科学や工学に割り振られる労働者の割合は大きくなる.そして,科学や工学がもたらすアイディアはみんなの利益になることも多い.だからこそ,他国が豊かになるとじぶんたちも得をするわけだ.とはいえ,科学者やエンジニアの人数だけが重要なわけじゃない.Agarwal & Gaule はかしこい論文を発表している.この論文では,同等な才能をもつ人たちであっても,より豊かな国にいる方が生産性が高くなることが示されている. Agarwal & Gaule は,1981年から2000年のあいだに国際数学オリンピックに出場した十代の子供たちのスコアを何千人ぶんも収集し,彼らがその後にたどったキャリアを

    アレックス・タバロック「国際的な数学の才能の無駄遣い(の改善)」(2018年7月18日)
  • レヴィ・ボクセル「インターネット,ソーシャルメディア,政治的二極化」(2017年10月)

    [Levi Boxell, “The internet, social media, and political polarisation,” VoxEU, Oct.1, 2017.] これまで,政治的二極化が近年になって高まっているのはインターネットのせいだと多大な非難が向けられてきた.だが,政治的二極化が全体的に高まる傾向は少なくとも70年代までさかのぼり,そこにインターネットはなんら有意な役割を果たしていないことをこのコラムでは論じよう.使用するのはアメリカのデータだ.さまざまな研究結果を見ていくと,わかりやすい物語による説明に安んじずにもっと奥深く見通すことの重要さが際立ってくる.政治的な感情を押し動かす要因をもっと深く理解することが重要なのだ. いまも蓄積が進んでいる研究文献からは,アメリカの有権者のあいだにみられる政治的二極化は近年になって強まっていることがうかがえる(e.g.

    レヴィ・ボクセル「インターネット,ソーシャルメディア,政治的二極化」(2017年10月)
  • アレックス・タバロック「どうして性差別と人種差別は減っていかないんだろう――誰もが性別差別も人種差別もあまりやらなくなってるのに」

    [Alex Tabarrok, “Why Sexism and Racism Never Diminish–Even When Everyone Becomes Less Sexist and Racist,” Marginal Revolution, June 30, 2018] 概念は参照クラスしだいでちがってくるという考えはべつに新しくもない.背の低いバスケ選手は背が高いし,貧しいアメリカ人はお金もちだ.とはいえ,青い点はとにかく青い点だろ,と思ったことがある人はいるだろう.青色は波長で定義できる.だから,青いかどうかの線引きにはあいまいなところがあるにしても,「背が低い」「お金もちだ」といった相対的概念とちがって青い点の背後にはなんらかの客観的な現実がある,というわけだ.ところが,Levari, Gilbert, Wilson, Sievers, Amodio & Wheatley

    アレックス・タバロック「どうして性差別と人種差別は減っていかないんだろう――誰もが性別差別も人種差別もあまりやらなくなってるのに」
  • ジョセフ・ヒース「少年とセックスと本とビデオゲーム」(2017年8月2日)

    Boys, sex, books, video games Posted by Joseph Heath on August 23, 2017 | gender 教育者のほとんどが気づいていることがある。我々の社会において男の子がを読まなくなっていることだ。「文学の危機」とまで呼んでしまうのは少し大げさかもしれない。それでも、男の子がを読まなくなっている現象は現在進行であり、問題でもある。私には12歳の男の子と13歳の女の子がいるので、親としてここ数年にかけて、この現象を注視してきた。おかげで文学の中でもYA(ヤングアダルト:若年層向け)分野で何か起こっているのかを、私の同世代の誰よりも精通することにもなってしまった。よって以下、この分野におけるいくつかの観察事例だ。 女性は小説一般において読者層の多数派を占めているわけだが、YA文学分野では、(成功した)作家の多数派も女性になっている

    ジョセフ・ヒース「少年とセックスと本とビデオゲーム」(2017年8月2日)
  • アセモグル & レストレポ「ロボットと雇用:アメリカからの証拠」

    [Daron Acemoglu & Pascual Restrepo, “Robots and jobs: Evidence from the US,” VoxEU, April 10, 2017] ロボットをはじめとするコンピュータに支援された技術によって、これまで人間の労働によって行われてきたタスクがかわりに担われるようになるにつれて、雇用と賃金の未来についてますます懸念が高まっている。このコラムでは、1990年から2007年にかけて産業ロボットによって雇用と賃金が減少した証拠を論じる。推計からは、労働者1000人あたり1台ロボットを増やすと、人口あたりの雇用率が 0.18〜0.34パーセントポイント減少し、賃金は 0.25〜0.5パーセント減少するらしいことがうかがえる。この効果は、輸入やルーチン作業の減少やオフショアリング、ロボット以外のさまざまな IT、あるいは総資ストッ

    アセモグル & レストレポ「ロボットと雇用:アメリカからの証拠」
  • 経済学の革新を君に、そして新しい枠組みへ

    Samuel Bowles, Wendy Carlin 07 September 2017, VoxEu.org A new paradigm for the introductory course in economics サミュエル・ボウルス、ウェンディ・カーリン 2017年9月7日 VoxEU 現在用いられている経済学初級課程の枠組みは、1948年にサミュエルソンによって書かれた教科書を基としている。しかしこの初級課程は経済学それ自体の劇的な発達を反映した内容とはなっていない。例を挙げるなら、不完全情報の理論と戦略的相互行動理論、これら二つは経済学において欠かすことのできない革命的発展となるが、初級課程で積極的に教えられることはない。更に経済学は、気候変動、発明と革新、経済の不安定性、格差の拡大など、その時々に直面する社会問題に絶え間なく取り組んできた。これら公共政策と経済学の関わり

    経済学の革新を君に、そして新しい枠組みへ
  • ノア・スミス「エアカーも宇宙植民もないけどサイバーパンクは実現した21世紀」

    [Noah Smith, “What we didn’t get,” Noahpinion, September 24, 2017] 先日,1980年代と1990年代のサイバーパンク SF がいまの世界について多くのことをいかに正確に予測していたかという話題で Twitter に連投したらけっこう好評だった.現代社会はなにもかもがネットに接続されてつながっているけど,同時に,なにもかもが不平等だ――ギブソンが好んでよく言ってたように,「未来はここにある,ただ均等に分布してないだけだ.」 ハッカー,サイバー戦争,オンライン心理戦は,みんなの政治経済生活でおなじみのものになっている.億万長者たちは宇宙ロケットをつくったり政府に協力して国民監視に手を貸したりしてる.白人労働階級は廃棄コンテナを住居にして有毒な水を飲んで暮らしてる.在野の趣味人たちが身体改造や遺伝子工学に手を染めてる一方で,実験室

    ノア・スミス「エアカーも宇宙植民もないけどサイバーパンクは実現した21世紀」
    shinichiroinaba
    shinichiroinaba 2017/09/25
    楽しい
  • アレックス・タバロック「理系科目の男女差はみんなが思ってるようなのじゃないよ」 — 経済学101

    [Alex Tabarrok, “The Gender Gap in STEM is NOT What You Think,” Marginal Revolution, September 12, 2017] NBER の新しい論文 (pdf) で David Card と Abigail Payne が STEM〔科学・技術・工学・数学〕の男女差についておどろきの新しい説明を提示している.通説だと,そうした男女差は女性に関わることであり,いろんな力がはたらいて――〔全般的な〕差別,性差別,適性,選択…お好みの要因をどうぞ――女性が STEM 分野で勉強しにくくなっているのだと考える.Card と Payne が言うには,男女差のかなりの部分は男性たちと彼らの問題に関わるものだ.少なくとも,彼らが出している研究結果をぼくはそう解釈してるけど,どうも著者たちはじぶんたちが出した研究結果がどう

    アレックス・タバロック「理系科目の男女差はみんなが思ってるようなのじゃないよ」 — 経済学101
    shinichiroinaba
    shinichiroinaba 2017/09/14
    “(行き過ぎなくらい)単純に言えば,大学に進めるくらいすぐれた男性は STEM が得意な男性しかいないってことだ.”
  • サイモン・レン-ルイス ネオリベラリズムと緊縮 (2016年10月21日)

    Neoliberalism and austerity, (Mainly Macro, Friday, 21 October 2016) Posted by Simon Wren-Lewis ネオリベラリズムというものは首尾一貫した政治哲学などではなく,むしろ人々が議論を重ねるうちに広まった,相互に関連したアイデアの寄せ集めだと思っている.『民間セクターの起業家こそが富の創造者であって,国はただ彼らの邪魔をするだけだ』とか.『民間のビジネスにとってよいことイコール国の経済にとってよいことだ』とか(たとえ独占力を増したりレントシーキングを伴うものだったりしても).『民間ビジネスや市場に,国や労働組合が介入するのは常に悪である』とか….こうした考え方が支配的なイデオロギーとなっている現在では,誰もわざわざ自分たちのことをネオリベラルと呼んだりする必要はない. 緊縮があれほどの規模で起きえたのは

    サイモン・レン-ルイス ネオリベラリズムと緊縮 (2016年10月21日)
    shinichiroinaba
    shinichiroinaba 2017/08/16
    “ネオリベラリズムというものは首尾一貫した政治哲学などではなく,むしろ人々が議論を重ねるうちに広まった,相互に関連したアイデアの寄せ集めだと思っている.”
  • ジョセフ・ヒース「アメリカのナクバ:社会が無惨にも分断を抱え堕落してしまった『理由』」(2017年3月14日)

    American Nakba Posted by Joseph Heath on March 14, 2017 | politics, United States 私は最近、「スティグマ化」を扱った論文を書き終えた(ここで読む事が可能だ)。論文では、「貧困文化」を巡って左派と右派の間で激しい応酬になっている論題の幾つかも扱うことになった。下層階級の人達は、自己破壊的な行動に従事する傾向にあるわけだが、そういった行動に対して「どこまで自己責任を追わねばならないのか」とか「どこまで自己責任を適用させるべきなのか」といった言説にまで関心を向けさせてもらっている。以上関心から、私は保守派による文化批判を読むことになり、デーヴィッド・フラムの“How We Got Here: The 70’s: The Decade that Brought You Modern Life”(『我々は現状にどの

    ジョセフ・ヒース「アメリカのナクバ:社会が無惨にも分断を抱え堕落してしまった『理由』」(2017年3月14日)
  • スコット・サムナー「言語と失業」

    [Scott Sumner, “Language and unemployment,” Money Illusion, May 2, 2017] 地図はぼくの好物だ.先日,ランディ・オルセンがヨーロッパの失業を示すおもしろい地図にリンクを貼っていた: この地図を見る前から,フランスよりドイツの方が失業率が低いのは知っていた.そしてやっぱり,失業率は両国の境界で劇的な変化を見せている――ライン川流域がそれだ. きっと,ドイツの失業率の方が低いのは,労働市場規制がすぐれていることの反映なんだろうと想定していた.ところが,このグラフはそれと別の相違点を示唆している――言語のちがいもあるようだ.ゲルマン系言語圏はロマンス系言語圏よりも失業率が低いと仮定してみよう.言語と政府政策のどちらがより重要なのか検証するにはどんな手があるだろう? ひとつには,複数言語が話されている国がある点に着目するアプロー

    スコット・サムナー「言語と失業」
    shinichiroinaba
    shinichiroinaba 2017/05/22
    “かんたんな答えはない.ただ,この地図が思考の食べ物なのはまちがいない.”
  • ジョセフ・ヒース 「『じぶん学』の問題」(2015年5月30日)

    The problem of “me” studies Posted by Joseph Heath 大学での「ポリティカル・コレクトネス」の問題についていろいろ言うジャーナリストは、まだたくさんいるのだが、言っていることはたいてい古臭いか、どこか的外れに思われるものばかりだ。私が見るところ、ポリティカル・コレクトネスの盛り上がりは90年代初頭に最高水位に達したが、そのあとはずっと凋落傾向にある(少なくとも教員の間での話で学生については別の問題だ)。この認知相違の一因は、不正確な語法にありそうだ。大学外の人々はポリティカル・コレクトネスという言葉の下にたくさんの別のものをまとめてしまうのだが、大学ではそれぞれ別の言葉が使われている。今日ここで書きたいのは、しばしばポリティカル・コレクトネスとされてしまうが、正確には「“じぶん”学」の問題として知られている、ある困った状況、傾向についてだ。

    ジョセフ・ヒース 「『じぶん学』の問題」(2015年5月30日)
    shinichiroinaba
    shinichiroinaba 2017/03/15
    当事者研究の罠