社会心理学者の山岡重行氏が、社会学者の北田暁大氏が『社会にとって趣味とは何か』*1で行った、「夫は外で働き、妻は家庭を守るほうがよいと思う」*2などの質問に、あてはまる(4点)/ややあてはまる(3点)/あまりあてはまらない(2点)/あてはまらない(1点)の4択で答えてもらったアンケート結果の集計方法について、批判を通り越した非難を展開している*3。分析手法はすべて公開されているのだから、不適切な分析であっても捏造とは言えないと思うのだが、それはさておき標準得点は使わない方が良かった。 北田氏は著作で標準得点のグラフ(図8-4;p.291)を参照しつつ、「二次創作好きの女性オタクと、男性二次創作好きオタクとで正負が逆」(p.292)としているのだが、標準得点なのでここでのゼロは平均値でしかない。標準化前の数字であれば、回答の文面から2.5点を基準にジェンダー規範は逆と解釈することができるのだ