千葉、埼玉など首都圏を中心に生活保護受給者らに宿泊施設を提供する「無料低額宿泊所」を運営する個人事業者ら3人が、2007年までの数年間で総額約5億円の所得を隠し、脱税したとして、名古屋国税局が所得税法違反容疑で検察当局に告発する方針を固めた。路上生活者らから生活保護費を吸い上げる「貧困ビジネス」が社会問題化するなかで、脱税の実態が明らかになるのは初めて。 告発されるのは、東京、神奈川、埼玉、千葉、愛知の1都4県で21施設の「無料低額宿泊所」を運営し、業界2位の規模とされる「FIS」の経営者(45)=東京都文京区=と、いずれも東京都北区在住の50歳と45歳の幹部。 関係者によると、経営者は入所者1人あたり毎月12万円前後支給される保護費から、家賃や食費約9万円を集めた。そのうえで各宿泊所の口座から経費を除く利益を自らの個人口座に振り込ませていた。幹部2人は、自治体との折衝や運営の助言など