◆算出方法変更で混乱も? 金融政策を担う日本銀行にとってかつては最重要の政策金利だった公定歩合が名実ともに“お蔵入り”になりそうだ。1996年1月までは公定歩合の上げ下げが、預金金利を始めとする市中金利の動向を大きく左右したが、現在の金融政策の手段は金融機関同士が資金をやりとりする短期金融市場の金利操作に移った。日銀はゼロ金利政策の解除にあわせ、今後は公定歩合という名称も使わない意向を示している。(植竹侯一) ■日銀法にない名称 日銀は14日の政策委員会・金融政策決定会合で、5年4か月ぶりにゼロ金利政策を解除し、短期金融市場の誘導目標をほぼゼロ%から年0・25%前後とすることを決めた。併せて公定歩合も年0・1%から年0・4%へ引き上げた。 日銀は決定内容を発表する際、これまでの「公定歩合」という表現を使わず「補完貸付の基準貸付利率」という耳慣れない用語を使った。福井俊彦総裁は記者会見で公定