情報システムを自分専用に作ろうとすると相当な金がかかる。それでは数社が集まって一つのシステムを作り、各社が同じシステムを利用したらどうか。4社集まれば開発費は1社で賄う時に比べ、4分の1になるはずだ。経営者にとって非常に嬉しい話である。ところが、そうならないことが案外多い。単独で開発したのと変わらない費用が必要になったり、最悪の場合、システムができあがらないことすらある。 そうした事例の一つとして、日経ビジネスEXPRESS(現・日経ビジネスオンライン)に、2003月6月23日に公開した『富士通の地銀システム開発に遅れ、新聞では分からない深層』を再掲する。たまたま富士通の例になってしまったが、他のコンピュータ・メーカーも大同小異の失敗をしている。最近でも、3年前の富士通と同様の理由で、同様の状態に陥っている失敗例がある。3年前の記事を再掲する所以である。 2003年6月19日付日本経済新聞