葬儀は近親者で行い、後日、社葬を行う予定。喪主は長男で同社副社長、省伸(よしのぶ)氏。 同社の第4代社長、省一氏の長女。夫で第5代社長の惟道氏が急死した1987年、第6代社長に就任し、村上春樹氏の「ノルウェイの森」などのベストセラーを世に出した。読書推進運動協議会会長や日本出版クラブ会長などを務めた。省伸氏が4月中旬に社長に昇格する人事が2月に発表されたばかりだった。
あの地震から2週間が過ぎようとしています。 ・savelibrary @ ウィキ - 東日本大地震による図書館の被災情報・救援情報 http://www45.atwiki.jp/savelibrary/ の活動も進んでいます。 前回のエントリ ・Save librarys ! Save librarians ! http://d.hatena.ne.jp/hatekupo/20110319/1300540923 書いたあとで、「杞憂」が「憂慮」すべきことにかわっていることを知りました。 同時に「savelibrary」では、「図書館復興」のことに傾向して、「司書」そのひとその人を尊重してこなかった(していたつもりであっても不十分・無力だった)自分に不甲斐なさと無力感、現場各位への申し訳ない気持ちがあります。 ホームレス図書館員 前回エントリをお読みいただきました「id:jam-014」さん
2011年03月30日 「地震後」の仕事を生きる。印刷インクが春にも逼迫? Tweet 地震で紙の供給に問題が生じて出版界が大騒ぎになっていることは、この間書いた。紙がすべての原因ではないだろうが、少年ジャンプとかも合併号発行に追い込まれている。 でまあどたばたしているのだが、紙問題も片付いてないのに、次はインクが問題になっている。インク製造は原料調達が多岐にわたるが、そこここの段階で工場が被災した。そのためインク製造は危機的状況で、需給が逼迫しつつある。 今確保されている在庫は春までとかインクメーカーが海外から緊急輸入して「インク屋の意地に掛けても調達する」と心意気を示してたりとか、噂もいろいろ。「ご協力のお願い」が広く出版業界に撒かれているようだ。 頑張ってほしい。 紙もインクも逼迫している状況では、いずれ「刊行間隔変更」や厳しい減ページに追い込まれる媒体も出てくることだろう。その影響
東日本巨大地震、製紙工場操業停止相次ぐ 東日本巨大地震で、製紙メーカーの生産設備や製品倉庫も大きな被害を受け、電力総量規制や物流面の影響による原材料の供給制限、製品の配送制限などで、東日本で印刷用紙が不足する事態を招いている。復旧には相当の時間を要するとみられ、印刷物製造への長期的な影響が懸念される。 製紙業界の被害状況について、22日、日本製紙連合会の篠田和久会長(王子製紙社長)が「東北太平洋岸の工場で大きな被害が発生している。とくに津波による被害が大きく、未だ、被害状況が確認されていない工場もあり、全容を把握できるには時間がかかるものと思われる」「新聞・印刷情報用紙生産関連の主力工場が被災しており、製品の供給については、業界として最大限の対応をしていくので、このような非常事態であることに鑑み、ぜひご理解をいただきたい」「(一部工場の操業再開など)徐々に好転はしつつも、東日本における
3月11日に発生した東北関東大震災。以来、あらゆるメディアが震災やそれに伴う原発事故の報道一色となったが、どんなメディアから情報を得ている人が多いのだろうか。 野村総合研究所の調査によると、「震災に関する情報提供で、重視しているメディア・情報源」を聞くと、トップは「テレビ放送(NHK)」で80.5%と断トツ。以下、「テレビ放送(民放)」が56.9%、「インターネットのポータルサイト」が43.2%、「新聞」が36.3%、「インターネットの政府・自治体の情報」が23.1%で続いた。 mixiやTwitter、Facebookなど、近年急速に広まっているソーシャルメディアを重視している人も18.3%と、「ラジオ放送(民放)」(11.8%)や「ラジオ放送(NHK)」(11.4%)を上回った。 ソーシャルメディアの功罪 東北関東大震災に関する情報に接して、メディアや情報発信主体への信頼度の変化(「上
2審も愛媛県警敗訴、内部告発訴訟 愛媛県警の内部告発訴訟で高松高裁は100万円支払いを命じた1審判決を支持、県の控訴を棄却。 2008/09/30 14:06 【共同通信】 自公が補正予算早期成立で一致 自公両党は幹事長、国対委員長会談で、予算委を開催、補正予算案の早期成立を目指す方針で一致。 2008/09/30 12:08 【共同通信】 清酒から基準値下回る農薬検出 酒類総合研究所は、事故米で製造した可能性がある清酒1点から基準値を下回る農薬を検出。 2008/09/30 12:06 【共同通信】 株急落の影響ないよう対応、麻生首相 麻生首相は、株急落で「日本の実体経済に影響を与えないよう対応しないといけない」と言明。 2008/09/30 11:23 【共同通信】 東証、午前終値は544円安 東証の日経平均株価午前終値は、前日終値比544円54銭安の1万11
記述方法は間違いないのに、文字化けしてしまう。 xhtmlはutf-8で宣言していたのだが、Javascriptで記述された日本語がブラウザで確認すると文字化けしてしまった。 「なぜ?」 もう少し試して分かったことは、xhtml内に直接書いたスクリプトでは文字化けしない。それを外部化すると文字化けすることが分かった。 文字コード宣言していないからいけないのだろうか? 例えばスタイルシートでは先頭に「@charset〜」を記述するが、javascriptの場合はどうなのだろう? ネットサーフィンして分かったことは、もともとJavascriptはutf-8で認識される。・・・。よく分からん。ものは試し、とりあえずxhtmlソース内のスクリプト部分に「charaset="shift-jis"」を追加してみる。 <script type="text/javascript" src="test.js
みんなを代表する「空気」は、いつも多数派を装います。みんなそう考えているから、みんなの意見だから、みんながそうしているから、そんな空気を漂わせて空気の中に個人を取り込んでいきます。確かに同じ空気を吸えば、空気は共有できるかもしれませんが、違和感を感じた空気を吸い続ければ苦しくなるのは当たり前です。最悪、窒息する恐れもあります。空気を読み合い、空気に押しつぶされないためには、何より「空気を知ること」です。 「空気」と「世間」 (講談社現代新書) 作者: 鴻上尚史出版社/メーカー: 講談社発売日: 2009/07/17メディア: 新書購入: 13人 クリック: 150回この商品を含むブログ (51件) を見る 1 空気になりたい理由 空気はそのときの気分や雰囲気でコロコロ変わるものです。そんな空気に右往左往している人を信用するに足りません。そんな空気に参加するために右往左往することも信頼のおけ
3月11日に東北地方から関東地方を襲った「東日本大震災」の被害の実態が明らかになりつつあります。こうしたなか、未曾有の大災害にみまわれた被災地の救援や復興支援に役立つ書籍や専門雑誌のテキストを、インターネット上で無料公開する出版社や著者が相次いでいます。 医学書院は『JIM』2005年8月号(15巻8号)「特集 災害被災地におけるプライマリ・ケア」、『病院』2010年6月号(69巻6号)「特集 災害と病院」をはじめ、『公衆衛生』、『精神医学』、『保健師ジャーナル』、『助産雑誌』、『看護教育』などを公開しています(詳しい書目はこちらを参照)。 学芸出版社は、仮設市街地研究会著『提言 仮設市街地』(2008年)の全文をはじめ、まちづくりや復旧・復興の専門書を「災害からの復旧・復興関連資料」としてPDFで公開。 ノンフィクション作家の最相葉月氏は、精神科医の中井久夫氏の「災害がほんとうに襲ったと
印刷インキ工業連合会は2011年3月25日、東日本大地震(東北地方太平洋沖地震)における震災で、各種インキ製品について生産・出荷に大規模な遅延、滞りなどが生じる可能性があるとし、「非常事態」を宣言した。「印刷インキ」「オフセットインキ」「グラビアインキ」「新聞インキ」それぞれについてほぼ同じ状況が発生しており、事態も同様の状況にあるとしている(【発表リリース、PDF】)。 リリースでは今震災によって「生産工場の火災や製品倉庫の荷崩れなどが関連企業で多数発生」し「印刷インキの主要原材料の調達が厳しい状態にある」こと、さらに「重油やLPGなどの燃料不足が深刻化している」「計画停電の実施で生産体制の根本的な見直しが必要」「製品の出荷においても輸送用トラックの燃料不足が続いている」ことから、製品の納品遅れ・滞りの発生、製品や原材料在庫が切れる可能性を示唆している。 特にそれぞれの専用インキで必
■ オライリーのebookから余白を除去して、Kindleで快適に読む方法 オライリーの被災者支援キャンペーンは大盛況のうちに終わったようで、最大で百数時間待ちになったようだ。おれが注文した3冊も昨晩遅くにようやく届いた。「同時にKindleを買うとどっちが先に届くだろう」なんて冗談を言い合っていたけれど、これはマジでKindleの方が早かったかも知れない。 それはさておき、買ったからにはちゃんと読みましょう(Kindleで)。ただし、紙の書籍をレイアウトそのままでPDFにしたものは、はっきりいって電子書籍端末では満足に読めないと思ったほうが良い。特にKindleをはじめ5~6インチの画面を持つ端末ではPDFの余白が極めて邪魔くさい。というわけで、これを除去してから読みたいものだ。 下のスクリーンショットはオライリーの「セキュリティの神話」を横向きにした表示したところ。上は買ったままのPD
日本の保守主義理解は欧米と違っていておかしい。欧米の保守主義は、皆でいろいろとやりとりしながら地道に社会を改良していきましょう、と言う含意があるのに日本ではそれがあまり見られない。ロマン主義と一緒にされたり、大衆社会批判と勘違いされたり、反近代主義にされたり、単なる反動と混同されたり、と奇妙なことになっている。 西洋の保守思想はフランス革命の悲惨な結末から生まれた考え方である。代表的な思想家は、バーク、トクヴィル、チェスタトン、T.S.エリオット、ハイエク、オークショットなどがいる。基本的に一方的で急激な社会改造を嫌う特徴がある。実際に、その時代によってフランス革命批判や異端嗜好批判や全体主義批判などが保守思想では論じられてきた。その上で、議会活動などの地道な実践的活動が重視されることになる。しかし、日本では保守主義がそういう理解をされているようにはあまり見えない。 日本で保守主義論者とし
タイトル別名 Hourglass or The Book of the World : A Study on Danilo Kiš スナドケイ アルイワ セカイ ノ ショモツ ダニロ キシュ ケンキュウ Hourglass (1972) is the last book of the autobiographical trilogy of Yugoslav writer Danilo Kiš (1935-1989). This novel is based on a real letter that Kiš's father wrote to his sister Olga on April 5th 1942. Kiš puts it in the last chapter of the novel as "Letter or Contents." Though the letter (w
[amazon] 去年、演劇研究所の招きでスウェーデンを訪れた時のこと。その晩、案内役のヨハンソン夫人に連れて行かれたのは王立図書館でした。夜の11時頃に図書館に入った「私」は、その一晩を一人っきりで図書館の中で過ごすことになります。そして、その図書館で私が見つけたのは、かの有名な「死者の百科事典」。「私」は2ヶ月前に亡くなった父に関すること全てが書かれている本を見つけ、読みふけることに... という表題作「死者の百科事典」他、全9編の短篇集。 先日読んだ、同じくダニロ・キシュの「砂時計」は、実はとても読みにくくて、もうどうしようかと思ったほどだったんですけど(挫折寸前でした)、でも読み終えてみればすごく印象に残る作品だったんですよね。こちらも全てを理解したとは言いがたいし、短編は苦手なので途中で集中力が途切れてしまったりはしたのだけど、逆に短編のせいか「砂時計」の時のような読みにくさは感
実験的な色彩が強く、読み流すと「破綻した物語」に見える――のだが… ただの回想録と思いきや、語りの技巧にヤられる。最初は、少年時代の思い出を、時間の流れに沿って描いてゆく。死の恐怖、夢と死、母への思慕、父の紫煙、ユリアとの初恋…読み手は、自分の幼い頃と重ねながら甘酸っぱさを共有するかもしれない。 次にそれをベースにして、謎めいた存在だった「父」の探求を始める。いずれも「いま」「この場所」で「読み手に向かって」、「僕」が語る形式をとっているのだが、それぞれの要素がよじれてくる。ここから、まるで別物に見えてくる。 記憶よりも連想に寄りかかり、筋は論理矛盾を起こし、話者は「不確かな語り手」と化す。展開は絶えず断ち切られ、それらをつなぐ相関は、五感――視覚、聴覚、触覚、味覚、嗅覚によって、身体的な表現へ触発される。モンタージュ、フラッシュバック、フェイドアウトなどの映画手法が応用され、視覚効果が強
[amazon] ランプが1つ灯されただけの薄暗い部屋。隙間風が吹いているのか炎は揺らめき、影もまた揺らめきます。薄闇に目が少し慣れてくると、そこに見えるのは1つのランプ。視線はランプへと向かい、その炎に目が釘付けに。そしてやがて目が光に慣れると、そこに見えるのは天井に渡された3本の長い梁、錆びた黒い鉄板出来た八本脚のレンジ、化粧窓、木の長持ち、横腹の丸い鞄、そしてランプが置かれているテーブル。テーブルに置かれているのは方眼紙の束や二つ折りの新聞紙、2~3冊の薄汚れた雑誌、金文字が押された黒い本、半分吸いかけのタバコ。そして炎に近づいていく1本の手...。 先日読んだ「あまりにも騒がしい孤独」に続いて、東欧の想像力シリーズ2冊目です。読み始めた途端に「好き!」と夢中になった「あまりにも騒がしい孤独」とは全然違っててびっくり... いや、作品によって違うなんて当たり前のことなんですけど、こち
◇キシュ著/カルヴィーノ著 (河出書房新社・2520円) ◇失われた父と中欧世界が浮かび上がる 旧ユーゴスラヴィア出身の作家、ダニロ・キシュ(一九三五-一九八九)の初期の代表作の一つ、『庭、灰』(原著一九六五年)の翻訳が、このたび、池澤夏樹氏個人編集の「世界文学全集」に収められた。あわせて同じ巻に収録されたのは、現代文学の名作として既に広く読まれているイタリアのカルヴィーノの『見えない都市』(原著一九七二年)である。二人の作家を並べてみると、中・南欧のヨーロッパ周縁から二〇世紀後半の世界文学を切り拓(ひら)くビジョンを発信した稀有(けう)の才能の共通性も見えてくるようで興味深い。 ここでは本邦初訳の『庭、灰』を主に取り上げよう。キシュの自伝的作品としては『若き日の哀(かな)しみ』(山崎佳代子訳、東京創元社)と『砂時計』(奥彩子訳、松籟社)の二作品がすでに紹介されており、『庭、灰』をあわせて
(松籟社・2100円) ◇不条理な死に打ち克つ文学の力 ダニロ・キシュ(一九三五-八九)は、旧ユーゴスラヴィア出身のユダヤ系作家である。これまでにも二冊、『若き日の哀しみ』と『死者の百科事典』が山崎佳代子さんのみずみずしい訳文によって日本に紹介されていて(どちらも東京創元社刊)、すでに知る人ぞ知る存在になっているはずだが、今回新たに訳出された長編小説『砂時計』は、キシュを多少なりとも知っている読者を驚かせ、当惑させるような強烈なビジョンと、たくましい小説的構築の技を示す作品になっている。 『若き日の哀しみ』が「抒情のひと跳び」で少年時代にさかのぼって、淡い水彩画のような美しい光景を描き出していたとすれば、『死者の百科事典』はロマネスクの香りの強い幻想短編集だった。それに対して、『砂時計』はもっと重苦しく、出口がいつまでたっても見えてこないカフカ的悪夢の世界に読者をさまよわせる。 小説の冒頭
かなり読む人を選ぶ小説かもしれませんが、これは面白い! 帯に書かれた若島正の紹介文はこんな感じ。 『砂時計』には、現実に書かれた一通の手紙が取り込まれている。その手紙の中に封印された、歴史的事実の重みを前にして、わたしたち読者は打ちひしがれるが、それと同時に、そのまわりに複雑な虚構の迷宮を築かずにはいられなかった、作者ダニロ・キシュの不屈の精神にも圧倒されるのだ。 本を読む前にこの紹介文を読んでも全然ピンと来ないかもしれないけど、読み終えた今はこの紹介文が本当に的確だと思う。 アウシュビッツで命を落としたというユダヤ人で作者ダニロ・キシュの父親エドゥアルド。 この『砂時計』はこのエドゥアルド(作中ではE・Sと表記される)の人生の一部が、複雑かつ巧妙な構成によって語られます。 影の揺らめき。それは燃え上がったと思えば消え入りそうになりしぼんでいくぎざぎざの炎のままに、天井と壁を近づけたり遠ざ
題名 愛の完成 著者 ロベルト・ムージル 発表年月日 1911年 愛の完成・静かなヴェロニカの誘惑 (岩波文庫)posted with amazlet at 10.10.30ムージル 岩波書店 売り上げランキング: 414938 おすすめ度の平均: きもちわるい 退屈の美学 合一 Amazon.co.jp で詳細を見る オーストリア生まれの作家ロベルト・ムージルの著書『愛の完成』を繙いてすぐ、私は意識のうすぼんやりとした領域によって文字を追うときの感覚と、それに伴う優美な浮遊感に囚われたのでした。 当時の私はヴァージニア・ウルフの『灯台へ』を読み終えてまだ日も浅く、あのような文体に憧れながらも、自分の目指している文体がまた少し違ったところにあることを感じておりました。あれに近く、あれとはまた違った文体……。まだ手にしてはいなかったのですが、輪郭はうっすらと見えていて、答えを中心とした渦にす
それは朝のラジオ番組、「森本毅郎スタンバイ!日本全国8時です」3月25日、火曜日のゲスト・荒川洋治氏による本の紹介によって始まった。ハーマン・メルヴィルに『バートルビー』という作品を知る。書記バートルビーの導きにより、書かないあるいは書けなくなった作家について書いている作品、エンリーケ・ビラ=マタス『バートルビーと仲間たち』(新潮社、2008.2)の紹介からであった。 バートルビーと仲間たち 作者: エンリーケ・ビラ=マタス,木村榮一出版社/メーカー: 新潮社発売日: 2008/02/27メディア: 単行本購入: 6人 クリック: 52回この商品を含むブログ (56件) を見る 3月26日『朝日新聞』の加藤典洋「文芸時評」の最後の日の末尾に、『バートルビーと仲間たち』をとりあげ、さりげなく「素晴らしい。自分は何者でもないと信じる、心ある世の少数の人々は、好きだろう」と結んでいる。同感である
「オーストリア」という国の名前から、われわれは何を連想するであろうか。おそらく真っ先に思い浮かべるのは、モーツァルトやシュトラウスをはじめとする作曲家たちであろう。オーストリアの首都ウィーンは今なお「音楽の都」として世界中の人々を惹きつけてやまない。音楽以外にも、クリムトやシーレに代表される世紀末美術、ムージルやツヴァイクらの文学を連想する人も多いだろう。学問の分野においても、ボルツマンやマッハらの自然科学、ゲーデルの数学などが挙がるに違いない。また、あのフロイトが精神分析学を創始した地はオーストリアであったことをわれわれは鮮明に記憶している。 哲学に関して言えば、シュリックやカルナップらに代表されるウィーン学団のイメージがあまりにも強く、オーストリアと言えば、もっぱら「論理実証主義」が栄えた地ということになってしまう。しかしながら、オーストリアにはもう一つの哲学的伝統があったことを忘れて
夏葉社・島田潤一郎さんのインタビュー第2弾。 前回は、島田さんが夏葉社をつくるまでの話をお届けしました。 夏葉社が、これまで世に送り出した本は2冊。 ひとつが、ユダヤ系アメリカ人作家・バーナード=マラマッドの短篇集『レンブラントの帽子』。もうひとつが、東京は大森で古書店を営み、川端康成や三島由紀夫をはじめ数多くの作家と交流をもった関口良夫氏のエッセイ『昔日の客』。 今回は、この2冊の本がどうやって生まれたかを伺います。 それぞれの本に、万感の思いが込められている。誕生までの物語がある。 その思いと物語を、是非、とくとご覧あれ。 (聞き手:大越裕・萱原正嗣、文:萱原正嗣) ―― 出版業界ほぼ未経験で出版社をつくられたことも驚きましたが、はじめてつくられた『レンブラントの帽子』(バーナード・マラマッド)で、これだけのクオリティに仕上げられたというのが本当に驚きです。 島田巻末エッセイを書
愛の完成・静かなヴェロニカの誘惑 (岩波文庫) 作者: ムージル,Robert Musil,古井由吉出版社/メーカー: 岩波書店発売日: 1987/12/16メディア: 文庫購入: 4人 クリック: 24回この商品を含むブログ (18件) を見る 部屋の中には夫と妻の二人。窓は濃い緑色の目隠しに覆われ、夕暮れの室外からは完全に切り離された空間として、その部屋はある。二人は愛し合っている。愛し合っている?なぜそんなことがわかるのか。たとえばその理由が、「そのように書かれているから」だとすれば、われわれはさらに、問いを継ぐことができる。そのように書くことを可能にしているものは何か、と。それはいうまでもなく、あらゆる空間を、すなわち個々人の内面をも均質なものとして移動することのできる、超越者の措定である。そこで愛は内面と内面の関係であり、その関係の記述者として超越者が存在するわけだ。しかし、「愛
三浦耕吉郎(みうら・こうきちろう)編『構造的差別のソシオグラフィ』世界思想社 「私たちがある種の関係性のなかにおかれると、個々人のなかの偏見や差別意識の有無とは無関係に、差別に荷担させられたり、差別を引き起こしてしまうことがある」(みうら「序章 〈構造的差別〉のソシオグラフィにむけて」3ページ) マイノリティについて - hituziのブログじゃがー マイノリティは、ただマイノリティなのではない。マジョリティ(多数派)との関係において、マイノリティであるのだ。 日本国籍を 一方的に おしつけ、うばいとる。 さて、かんたんに歴史的事実から。在日コリアン弁護士協会 LAZAK編著『裁判の中の在日コリアン』現代人文社より。 1910年のいわゆる日韓併合によって、朝鮮は日本の領土とされ、朝鮮人は一律に日本国籍を取得しました。その後、日本による朝鮮半島の植民地支配が行われていた間、日本国籍を有し、日
死者の軍隊の将軍 (東欧の想像力) 作者: イスマイルカダレ,Ismail Kadare,井浦伊知郎出版社/メーカー: 松籟社発売日: 2009/10メディア: 単行本購入: 4人 クリック: 70回この商品を含むブログ (25件) を見るというわけで、カダレのデビュー作。松籟社の「東欧の想像力」叢書第五巻。 戦後二十年ほど経ったある国の将軍が、戦死した兵士の遺骨回収を命じられて、アルバニアの地を踏むところから話は始まる。将軍、それとアルバニア語を解する司祭の二人を中心人物として物語は進む。将軍は戦時中にアルバニアを占領していたイタリアの軍人であろうことは歴史的経緯からも確実なのだけれど、作中では一度も明示されない。作中では一貫して、将軍、司祭、技師、中将、兵隊さんといった呼ばれ方をしている。固有名で呼ばれるのはアルバニア人あるいは一部の女性ばかりだ。 この作品が書かれたのは1963年。作
2009年をまったりとふりかえる。さてさて2009年、何があったかな。 (1)大学院をどうにかこうにか卒業した (2)夢ではなく、本当に仕事があった(これが一番の奇跡) (3)活字にまみれた (4)中南米ぶらり旅(もう1回行きたい) 学生⇒社会人という、ジョブチェンジがやっぱり大きかった。(3)だけは、今年も変わらず。そして、これからもたぶん変わらないだろう。社会人になってからは、読書量はがつんと減ってしまったけど、その分原稿などのアウトプット量が増えた。「キリキリソテー」の傾向としては、2009年は昔読んだ本の感想文掘り起こしが多かったかもしれない。 ■海外文学アワード2009 では、今年読んだ本のアワード。 基本、1国1作品ノミネート(順不同)。基本的に今年感想を書いたものをピックアップ。⇒2008アワード アブサロム、アブサロム! (池澤夏樹=個人編集 世界文学全集 1-9) 作者:
世界文学のフロンティア〈3〉夢のかけら 作者: 今福竜太出版社/メーカー: 岩波書店発売日: 1997/01/10メディア: 単行本購入: 1人 クリック: 25回この商品を含むブログ (3件) を見る本書は岩波書店から出ていた今福龍太、沼野充義、四方田犬彦編集による世界文学アンソロジーシリーズの第三巻。この巻の「夢のかけら」という表題には、実現されたユートピア――共産主義、社会主義体制の後、という意味が込められていて、選ばれた書き手の出身国も、ユーゴスラヴィア、ポーランド、アルバニア、チェコ、中国、ロシア、ハンガリー、イタリア、コロンビア、東ドイツとあるので大体の傾向はつかめると思う。もちろん作中に夢を題材にしたものもあるし、マルケスやイタリアの作家なんかも入っているけれど基本的には東欧、旧共産圏アンソロジーだと言える。 これを読んだのはカダレの短篇目当てという理由の他に、最近興味を惹か
先日の「色で読む海外文学」リストの続編。Twitterでつぶやいたら、いろいろな方からいっぱい推薦をもらったのでまとめてみることにした。白黒つけてみる? モノクローム編。 White 冬の犬 (新潮クレスト・ブックス) 作者: アリステア・マクラウド,中野恵津子出版社/メーカー: 新潮社発売日: 2004/01/30メディア: 単行本(ソフトカバー)購入: 4人 クリック: 56回この商品を含むブログ (68件) を見る 冬になると、カナダの離島には流氷がやってくる。見渡す限りの氷原を、犬を引き連れて歩いた記憶。息まで凍りそうな、真っ白な世界にたたずむ自分を幻視した。⇒感想 白い城 作者: オルハンパムク,Orhan Pamuk,宮下遼,宮下志朗出版社/メーカー: 藤原書店発売日: 2009/12/17メディア: 単行本 クリック: 49回この商品を含むブログ (21件) を見る 文明が衝
健康な悟性と病的な悟性 フランツ・ローゼンツヴァイク(Franz Rosenzweig, 1886-1929)著 村岡晋一(むらおか・しんいち:1952-)訳 作品社 2011年2月 本体2,000円 46判上製178頁 ISBN978-4-86182-315-2 原書:Das Büchlein vom gesunden und kranken Menshcenverstand, 1964(1921/1992). 帯文より:生は死に向かってみずからを生きる。ギリシャ以降の抽象に淫した西欧哲学を「病的な悟性」と見立て、世界・人間・神を機軸とする「健康な悟性=常識」と「対話」による哲学の回復を目指す『救済の星』の闡明。 本文より(117頁):人間だけが存在するのでもなければ、世界だけが存在するのでもない。両者いずれもけっして「存在する」のではない。両者の一方が「存在する」なら、それだけしか存在
アントニオ・ネグリ 『構成的権力』 松籟社、1999年6月15日、510ページ、4800円 ぼくは全7章のうち3~5章を担当。
二つの伝説 (東欧の想像力) 作者: ヨゼフシュクヴォレツキー,Josef Skvoreck´y,石川達夫,平野清美出版社/メーカー: 松籟社発売日: 2010/11/10メディア: 単行本 クリック: 16回この商品を含むブログ (5件) を見る ナチとその後の共産主義政権下でのジャズについて書かれたエッセイ「レッド・ミュージック」と、「エメケの伝説」「バスサクソフォン」の二つの中篇を収録した本。 「エメケの伝説」は、小さな村のレクリエーションセンターでの、ハンガリー出身の神秘的な未亡人エメケと語り手の愛と、粗野な中年教師の横槍によりそれが挫かれてしまう顛末を描いた作品。エメケより何より教師の下品な言動の描き方がなんとも残酷で、最後の教師への復讐の場面もかなり陰険、というか、いじめだろ、これ。こういうキャラでもって小説を展開させるのは正直好きじゃない。 「バスサクソフォン」は、ナチ支配下
<第一二講> まとめ:ハラルド・ゼーマンと「人類のプラトー」 ◆ハラルド・ゼーマンについて ◆プラットフォームとプラトー ◆ドゥルーズ『千のプラトー』 ◆ゼーマン「人類のプラトー」 ◆ゼーマンとドゥルーズ ◆国際美術展と一九六八年パリ五月革命 ◆ハラルド・ゼーマン(Harald Szeemann、一九三三―二〇〇五)について ・展覧会を作品化した表現者としてのキュレーターの先駆者 一九六九年 「態度が形になるとき」展(ベルン、クンストハレ) ・数々の国際美術展を手掛けた 一九七二年 ドクメンタ5(カッセル) 一九八〇年 ヴェネツィア・ビエンナーレにアペルト部門創設(アキレ・ボニート・オリーヴァとの共同企画) 一九九七年 第四回リヨン・ビエンナーレの総合監督 第二回光州ビエンナーレ「速度―水」部門のキュレーター 一九九九年 第四八回ヴェネツィア・ビエンナーレの総合監督 二〇〇一年 第四九回ヴ
以下は、戸田山(和久)さんが書いたもので本になったものでは、ほぼ最新のもの。戸田山さんのとこしか読んでないが面白かったので紹介したい。 戸田山和久による序文 まずはおさらい 網状モデルとは ラウダンが編み出したモデル。クーンの「パラダイム」の改良版。理論と方法論と目的のどれか一つを合理的に変えることができる。まず理論が変わり、次に目的と新理論に照らして方法論が修正され、最後に新理論と新しい方法論とに照らして目的が変更される、といったことが可能になる。最初と最後だけとってみると、あたかもパラダイムが起こったように見える。 科学哲学者ジャレット・レプリンは「ラウダンのモデルは、まだ誰も試みてないうちから目的が達成可能かどうかを経験的に判断せよとする点で、不可能事を要求している」とラウダンを批判した。戸田山は「それに対するラウダンの返答は注目に値する」という。ラウダンは「ニュートンは新奇性のある
(念を押すまでもないとは思うが、単にツイッター上での相互フォローの関係であって、これらの人たちと知り合いだとかどの程度仲がよいとかいうことはまったく関係ない) 紅音ほたる、藤田志穂、宋美玄、福島和可菜といった知名度の高い人物が15倍前後に位置している。「くもじい」や「やおいちゃん」がほぼ10倍の中央ライン、そこから下がると急に文学フリマや電書フリマなどに参加している書き手の名前が急増する。メトロン星人と松尾貴史がいずれも8倍前後で社会科見学と非常に近いところにある。7倍前後を切ると武田徹・町村康貴というシブい名前。さらに下に行くと青土社・松籟社というこだわりある出版社の名前が出てくる。 これはもう、上の方は「メジャー(一般的/広く浅く)」、下の方は「マニアック(専門的)」なつぶやきをする人というおおざっぱな軸でいいんじゃないかと思われる。美玄先生は専門家だがアイドル枠と見られているのかもし
アブラクサス・アイオーン @Abraxas_Aeon フランス思想界隈でユングの名を持ち出すと激しく噛み付かれるらしい。中村雄二郎がフランスに招かれて講演したときにユングの名を挙げただけでデリダらにこっぴどく非難されたとか。原因はナチス。内容に関係なく無条件にユング即ナチスと関連付けて叩く風潮がフランスにはあるとのこと。 2010-12-26 01:08:57 7 @object_7 デリダは親ナチ的な評論書いて叩かれたド・マンを擁護していたのにRT @Abraxas_Aeon:[...]中村雄二郎がフランスに招かれて講演したときにユングの名を挙げただけでデリダらにこっぴどく非難されたとか。原因はナチス。内容に関係なく無条件にユング即ナチスと関連付けて叩く風 2010-12-26 01:13:49
評伝オーロビンド [著]ピーター・ヒース[評者]中島岳志(北海道大学准教授・アジア政治)[掲載]2011年2月27日著者:ピーター ヒース 出版社:インスクリプト 価格:¥ 3,150 ■近代の突破、普遍宗教に求める 20世紀初頭、インドの独立運動は大きな転機を迎えた。イギリスとの対話を重視した知識人に対し、即時の完全独立を要求する急進的なグループが現れた。彼らは大衆運動を重視し、時に過激な武装闘争を展開した。 この運動を牽引(けんいん)した代表的指導者がオーロビンドである。彼の知名度は日本では低いが、インドではガンディーやネルーと並ぶ英雄だ。ノーベル賞候補にも挙げられたことがある。 オーロビンドは政治闘争に加わると同時に、ヨーガの実践にも力を入れた。彼はヒンドゥー教の「ダルマ」(法・真理)の普遍性を強調し、その理念を生活の中で実践すべきことを説いた。 オーロビンドにとって、政治と宗教は
『カタコトのうわごと 新版』(多和田葉子著) 鷲田清一氏(折々のことば)・・朝日新聞 2024年2月18日 [2024年2月19日]
「日本は実は政教分離を欧米よりずっとはやく導入していたという説もあります」というコメントをいただいて、紹介された先の記事を見ました。 「福沢諭吉・新渡戸稲造・丸山眞男・森田明彦に見る、西洋コンプレックス型日本知識人の特徴」 です。 そのうち、鎌倉~江戸期までの日本宗教に関する記述は、以下のようです。 【鎌倉幕府という武家政権が、朝廷という祭政一致勢力を破って幕府の統制下に置いたのがはじまりで、江戸時代の寺社奉行においてそれが完成され、世俗に介入しようとする神道、仏教、キリスト教の勢力を思いっきり弾圧して、武家政権の統制下においてしまった。】このように要約できる流れ自体は、決して間違っていないものと思います。 無論のこと、本当に重要なのは、政教分離という制度ではなくて、信仰・信条の自由です。ここを忘れた政教分離云々の議論は、議論として不適当でしょう。政教分離をしていても、信仰の自由や、信条の
When you hear the word sunroom many different pictures come into your head. First and foremost is how much will it cost? For those interested in these types of additions, price shouldn’t be a factor. You need to look at this as an investment in your home and you will get the monetary value back out if and when you sell your home. This is why sunroom additions in Columbia, SC are so popular. Pe
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えーと、たまには「元過激派」らしいタイトルをつけてみたかったのですが、タイトルと本文はあんまり関係ありません(笑。 さて、前のエントリー(「普天間は『移設』でなく『閉鎖』せよ!『鳩山首相への緊急提案』に連名を!」)をトラバしたところ、GO@あるみさんがご自身のブログに賛同要請を転載してくれました。そのエントリーにGOさんが書いておられた以下の感想を読んで、少し思うことがありました。 ま、鳩山政権への「お願い」運動も、今年いっぱいぐらいかな~ 四の五の言っていると、新年早々から「打倒」するからね 普天間基地なんぞ、本当は民衆の力で包囲して、解放しなければなるまい わずか数行のごく素朴な感想に対してまで大きな意味付与をするつもりはありませんし、以下、私が思ったことも、GOさんのふとした一言から芋づる式に私の脳髄からわいて出たことであり、GOさんはこういう人なんだと言いたいわけでも、論争をふっか
●國分功一郎さんエッセイ 「スピノザに近づいてみる――「倫理」と「思考」のための60冊+α」 ハイデッガーという大哲学者がこんなことを言っています――どんなに幅広く哲学を論じたとしても、〈問う〉ということによって私たちが感動させられていなければ、何も理解したことにはならないし、すべては誤解にとどまる(『形而上学の根本諸概念』)。 ハイデッガーは二〇世紀の哲学を決定づけた、博覧強記の哲学者です。彼の本を読むと、「彼以上に難しいことを考えるのは無理ではないか」と思われるほどです。しかし、そんなハイデッガーも感動しているのです。哲学者の本を読み、問い、書く、そんななかで彼も感動しているのです。 ** 今回、私は『スピノザの方法』(みすず書房)という本を出版することができました。その中で問うているのは次のようなことです。ものを考えるにあたりわれわれは暗闇のなかをひとり手探りで進まなければなら
一部農作物から食品衛生法の暫定基準値を超える放射性物質が検出された事を受けて、3月21日に対象となる県の農畜産物について、出荷制限の指示が行われました。その内容は基準値を超えていない農産物も含まれているモノでした。この処置は、基準を超えた、若しくはそのおそれのある食品が市場に流通させない事で、安心して消費者に購入して頂けるように、という意図であると考えられます。 ■消費者は安心して購入しているか 暫定基準値を超える野菜があったとはいえ、全ての野菜で超えているわけでもなく、ハウス栽培のモノであれば放射性物質の付着はより少ないと考えられます。更に、基準値を超えて付着している野菜を食べたとしても、すぐさま健康に影響が出るようなものでもありません。 要するに、国は十分な処置を講じたわけですから、消費者がお店で野菜などを購入するときに改めて注意する必要はないと謂う事ですね。ところが、それで一安心、と
2010年12月21日、張麗華(シンガポール南洋理工大学)、李婉薇(香港嶺南大学)、津守陽(UTCP)によるワークショップ「近代東アジアの思考を解きほぐす―中国語圏の文学から」を行いました。 本ワークショップが議論の主眼としたのは、近代東アジアの著作行為において、人々の表現行為を載せる器である「文体」や「文学ジャンル」といった「形式」と、それが運ぶ「思考」との間に、いったい何が起こっていたのかという問題です。香港と中国の若手研究者を迎え、3名のメインスピーカーによる報告ののち、2名のコメンテーターを中心に討論が行われました。筆者の怠慢によりご報告が遅れたことをお詫びしつつ、当日の議論の様子をお伝えしたいと思います。なお当日のプログラム順序と異なり、それぞれの報告とコメントを並べて記述いたします。 ---------------------------- 一、張麗華「越境する文学ジャンル―魯
「避難してきた被災者の車が、いわき市のナンバープレートをつけていたため、近所からクレームがついた」といった話は聞いていた。車についた「放射能」を恐れたのであろう。困ったことであるが、不安に駆られて、そういう行動をとる人がいても仕方のないことだろうと思っていた。しかし、医療機関や避難所といった、公的な性格を持つ施設が、正当な根拠なく被災者を不平等に扱うのは問題である。 ■福島第1原発:放射線検査「義務付け」 偏見で過剰反応 - 毎日jp(毎日新聞) 原発から半径20〜30キロの自主避難促進区域にある福島県南相馬市原町区から福島市に避難してきた会社員、岡村隆之さん(49)は24日、市内の医療機関で8歳の三女の皮膚炎の治療を断られた。理由はスクリーニングの証明書がないこと。市販薬で何とかしのいだが、岡村さんは「ただでさえ不安な避難生活。診察を断られたことが、どれだけショックだったか」と話す。 福
2011/03/27 広くわかりあうための原発論とは?:賛成派と反対派の壁を越えて(3.27.) カテゴリ:東日本大震災 「原発とんでもないことになってしまった...」と1億何千万人もの日本人が思っているはずです。 今や世界中で “NO MORE FUKUSHIMA! ” が叫ばれています。 原発推進派と原発反対派は長年対立してきたわけですが,3.11.以後原発に関する議論は活発になることでしょう。 ただし,これは「どちらが正しいか」という問い方をしている限り,信念対立に足をとられて前に進むことが難しくなってしまいます。 こういう厄介な問題を乗り越えるために「社会構想の方法」があります(『持続可能な社会をどう構想するか:構造構成主義研究4』の鼎談参照。期間限定で無料ダウンロード可能です→http://p.tl/VSjm)。 ここではそれに沿って原発問題をどのように考えていけばよいのかスケッ
「COPPELION」原作者・井上智徳氏のツイッター(スクリーンショット) 週刊ヤングマガジンで連載されている、地震による原発事故によって放射能に汚染された東京で遺伝子操作された女子高生が特殊部隊となって生存者を救出するという井上智徳氏のSFマンガ「COPPELION」の連載継続に読者だけでなく作者自身からも不安の声が上がっている。 このコミックは2008年より連載が開始された週刊ヤングマガジンの人気作品で現在までに単行本9巻が刊行されており、テレビアニメ化も決定していた。しかし、福島第1原発事故によりツイッターや2ちゃんねる、アニメ関係の掲示板でその連載存続の危機が論じられている。 「COPPELION」の内容は、地震による原発事故で東京が廃墟化するという、事故の渦中にあるわれわれにとってリアルすぎるシチュエーションで物語が展開する。ツイートや掲示板に書かれた意見の中には「テレビはまずい
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