「新聞を見ると、調子の悪い見出しが大きく出ている。株価がさらに下がった、ある企業の売り上げが落ちた、別の企業が赤字になった、レイオフ(一時解雇)が至る所で行われている。…そういう悪いニュースを毎日読んでいると、気持ちが縮む。そして世の中の調子がもっと悪くなる。見出しはちらっと見る程度でいい、すぐ仕事に戻り、自分の製品やサービスをひたすら磨くべきだ。大きなイノベーションは、不景気の時に起きている」 こう言われた時、「全くその通り」と筆者は相槌を打った。日経ビジネス オンライン読者の皆様は、どう思われただろうか。これは、インターネットビジネスの起業家として著名なジェイソン・カラカニス氏の発言である。11月10日、来日した同氏に「スタートアップ(いわゆるベンチャー企業)の経営に取り組む企業家は今、どうすべきか」と聞いたところ、冒頭の答えが返ってきた。 カラカニス氏はいわゆる“ドットコムバブル”が