東日本大震災から3か月となるのを前に、被災地で「遺産相続を放棄すべきか否か」という被災者からの法律相談が相次いでいる。 亡くなった親族に借金があった場合、3か月以内に相続放棄の手続きをしないと、借金も相続してしまうからだ。被災の混乱で資産状況を把握できないケースも多く、弁護士らは、判断に迷ったら「期限延長」を申し立てるよう呼びかけている。 津波で兄を失い、避難中に父親も亡くした宮城県南三陸町の50代の女性は、相続放棄の期限が迫っていると知り、6日に同町で開かれた無料法律相談会を訪れた。 父と兄が経営していた会社は借金があるらしいが、津波で会社も書類も流され、取引相手もわからない。高橋善由記弁護士(39)は「最終的に相続放棄になると思うが、まずはどこに債務を負っているかを調べなければ」と、期限延長の申し立てを勧めた。