「名工」と言えば寺社建築の棟梁や刀鍛冶、陶芸家……だけではない。デバプラ読者なら、現代のモノづくりの世界にも「名工」と呼ぶべき人がいることをご存じだろう。斎藤 克摩さんも、そのひとりだ。 厚生労働省が実施している、通称「現代の名工」(正式名称:卓越した技能者)は、さまざまな技能者のなかから特に優れた人を表彰する制度。この2014年11月、斎藤さんは全国の受賞者149人のなかで、3番目の若さで名工に選ばれた。その技能は、”ハンダ付け” だ。 ハンダ付けといっても、そんじょそこらのハンダ付けではない。斎藤さんが所属するのは、NEC東芝スペースシステム(※現NECスペーステクノロジー)。その名の通り宇宙に飛ばすモノ、つまり人工衛星やその搭載機器などを作る会社だ。そして斎藤さんが手がけたのは、あの「はやぶさ」。 2010年の感動的な帰還、そして今年の「はやぶさ2」打ち上げ、ともに記憶に新しい。この