大分大学はこのほど、アトピー性皮膚炎患者の皮膚に含まれる脂質が、症状悪化を予測する指標になる可能性があることを発見した、と発表した。投薬をやめるタイミングの判断に役立てるなど、将来的な臨床応用が期待されるという。 研究グループの酒井貴史・医学部助教によると、アトピー性皮膚炎はステロイド剤を処方することでいったんは改善する。しかし、投薬の回数を減らすと皮膚炎が再発することもあり、投薬の判断は医師や患者が症状をみながら行っているのが現状だという。 今回の研究は、花王スキンケア研究所と共同で2015年から開始。患者39人にステロイド剤による治療を実施。症状が治まった「寛解状態」で患者の皮膚と血液を採取し、角質細胞間脂質にある「セラミド」の状態を検査。その後、保湿剤の使用を開始してステロイド剤の使用回数を減らす治療を8週間継続し、セラミドの状態を調査した。 その結果、寛解したままの患者に比べて、症