本研究所では、日本と海外のIT技術およびその利用方法を比較し、両者の間にある情報格差について考えていきたいと思う。ただ最初に誤解のないように言っておくが、情報格差は日本だけにあるわけではない。しかし、日本の状況を正しく把握するためには、日本がどんな状況にあるかを知り、海外と比較していくことが重要である。 第1回は、システムの統合あるいはデータをマッシュアップする上で、日本と海外ではどれだけの差があるのか。また、その情報をなぜ日本人は知らないのか、について検証していこうと思う。システム化で目指すイメージは、日本も海外も同じものだ(図1)。日本でも南澤宣郎氏が、インターネットがなかった1978年に、マッシュアップの原型のようなことは示している。 日本の医療システムを考える 具体的な例として、日本の医療システムについて考えてみよう。 医療システムといえばみなさんは、電子カルテを思い浮かべるのでは
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