善良であっては大した人生を過ごすことが出来ない。こういう信念を持つ男があった。彼の目的は金であり、それで以て人生を楽しくエンジョイすることにあった。彼は学校を出ると大きな会社に就職した。彼は集金係に配置された。彼は持ち逃げを考えたが、すぐには実行に移さなかった。彼に任されている金額では不満足であったからだ。そこで先ず、信用を築こうと考え、真面目な勤務振りを装った。集金に不足額がある時にも、自分の金で補った。後でこのことが上役に分かって信用が高まり、扱われる金額も多くなった。集金中、二人組の男に襲われても必死にお金を死守した。怪我をして彼は入院したが、退院した時には異例の昇進が待っていた。扱える金額もより多くなった。彼は金額を増やす為により信用を得ようと、より実直に働き、法律・経済・外国語・国際情勢を勉強し、努力し続けた・・・。 経済新聞の記者が、彼に向かってこう訊くことがある。 「貴方は今
『マッドマックス 怒りのデスロード』はいろいろ驚きのある映画だったけれど、一番驚いたのは、女性の解放という物語の骨格でなく、主人公マックスのキャラクターだった。メル・ギブソン版マックスのマッドは「怒りでなにをしでかすかわからない」ぐらいの意味だったけれど、今回のトム・ハーディ版マックスは違う。文字通り、「臨床的に気が狂ってる」マックスだ。彼は精神病患者なのだ。 マックスはどう狂っているのか 前評判では「喋らない」「目立たない」「主役はフュリオサ」と言われていたマックス。ところが実際映画が始まってみると、ウォーボーイズにあっさり捕まる彼の行動や表情は、「寡黙なヒーロー」と言うにはどこか違っていた。 ゲージに入れられたマックスの心ここにあらずという表情。敵車のフロントに縛り付けて命の危機にあるのに「俺のクルマ!」と叫ぶ執着心。口枷を外そうとコリコリコリコリとヤスリを削る反復運動。トム・ハーディ
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