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ブックマーク / 1000ya.isis.ne.jp (5)

  • 1653夜『江戸の思想史』田尻祐一郎|松岡正剛の千夜千冊

    先週、小耳に挟んだのだが、リカルド・コッキとユリア・ザゴルイチェンコが引退するらしい。いや、もう引退したのかもしれない。ショウダンス界のスターコンビだ。とびきりのダンスを見せてきた。何度、堪能させてくれたことか。とくにロシア出身のユリアのタンゴやルンバやキレッキレッの創作ダンスが逸品だった。溜息が出た。 ぼくはダンスの業界に詳しくないが、あることが気になって5年に一度という程度だけれど、できるだけトップクラスのダンスを見るようにしてきた。あることというのは、父が「日もダンスとケーキがうまくなったな」と言ったことである。昭和37年(1963)くらいのことだと憶う。何かの拍子にポツンとそう言ったのだ。 それまで中川三郎の社交ダンス、中野ブラザーズのタップダンス、あるいは日劇ダンシングチームのダンサーなどが代表していたところへ、おそらくは《ウェストサイド・ストーリー》の影響だろうと思うのだが、

    1653夜『江戸の思想史』田尻祐一郎|松岡正剛の千夜千冊
  • 1641夜 『人間の経済』 宇沢弘文 − 松岡正剛の千夜千冊

    先週、小耳に挟んだのだが、リカルド・コッキとユリア・ザゴルイチェンコが引退するらしい。いや、もう引退したのかもしれない。ショウダンス界のスターコンビだ。とびきりのダンスを見せてきた。何度、堪能させてくれたことか。とくにロシア出身のユリアのタンゴやルンバやキレッキレッの創作ダンスが逸品だった。溜息が出た。 ぼくはダンスの業界に詳しくないが、あることが気になって5年に一度という程度だけれど、できるだけトップクラスのダンスを見るようにしてきた。あることというのは、父が「日もダンスとケーキがうまくなったな」と言ったことである。昭和37年(1963)くらいのことだと憶う。何かの拍子にポツンとそう言ったのだ。 それまで中川三郎の社交ダンス、中野ブラザーズのタップダンス、あるいは日劇ダンシングチームのダンサーなどが代表していたところへ、おそらくは《ウェストサイド・ストーリー》の影響だろうと思うのだが、

    1641夜 『人間の経済』 宇沢弘文 − 松岡正剛の千夜千冊
  • 0883 夜 | 松岡正剛の千夜千冊

    ヴァリス フィリップ・K・ディック サンリオSF文庫 1982 Philip K. Dick VALIS 1981 [訳]大滝啓裕 SFにどっぷり溺れていたのは70年代と80年代の20年間ほどだ。ブラッドベリとバラードの衝撃を受けて以来、数々の驚嘆と感嘆に見舞われてきたが、構えて取り組み読みをしたのは、ディックのものが多くなっていた。取り組み読みというのは、暗号解読者のように読むということだ(ピンチョンなどもそのように読んだ)。なかで深くて速い過呼吸に襲われ、構えも崩れそうになったのが『ヴァリス』だ。 そこには、情報ネットワークがもたらす知の能動性についての、最も幽遠か、もしくは最も忌まわしい妄想と哲学が滾っていた。 どうしてあんな異様な話が書けたのか。フィリップ・キンドレッド・ディックであるからだ。これでは何も説明したことにならないけれど、そう言うしかない。それほど卓抜きわまりない作家だ

    0883 夜 | 松岡正剛の千夜千冊
  • 0689夜 『「いき」の構造』 九鬼周造 − 松岡正剛の千夜千冊

    碁敵の別役実に勧められて読んだとき、つまらなかった。こんなことで「粋」が説明されてたまるもんかよと、すぐに思った。早稲田小劇場が生まれる前後のころである。 いまとなってはそのときの読感を正確に思い出せるわけではないが、薄っぺらなんじゃないかとか、和の美学の頓珍漢のほうに入りこんで理屈っぽいという感じだったのだろうと憶う。それまでぼくが生意気に感じてきた「粋」とは違うのだ。 それがいつだったか、九鬼の『偶然の諸相』を読んで、格段の新鮮なものを感じた。あいかわらず定言的偶然とか因果と目的によって偶然を分類しているところなど、少しうるさいのだが、ここまで「偶然」にこだわることが一筋縄ではないというのか、只事ではないと気がついた。 そこで、岩波の全集をとりよせてあれこれ拾い読んでみると、おお、おお、なんだ、胸が詰まるほどに、いい。最初に『風流に関する一考察』や『日詩の押韻』を読んだのだったと思う

    0689夜 『「いき」の構造』 九鬼周造 − 松岡正剛の千夜千冊
  • 1446 夜 | 松岡正剛の千夜千冊

    今年もいよいよ暮れていく。 何も終わっていないかのように、 何かが示されないままに。 これからしばし「フクシマ」以降の問題を とびとびに番外録してみようと思う。 ただし一冊をじっくり採り上げるというより、 気になるを数冊ずつ案内したい。 しかし「フクシマ」以降とは、 実は「フクシマ」以前の日問題なのである。 そこで、まずは書から入ることにした。 原発シプシー堀江邦夫と水木しげるによる 32年前の文章と原発絵を再現しただ。 加えて、山岡俊介の福島原発潜入記を紹介する。 ◆堀江邦夫・水木しげる『福島原発の闇』(2011.8 朝日新聞出版) このには驚いた。32年前の「アサヒグラフ」の記事と絵が復元されたのだ。復元にあたってはさすがに当時の大判グラフ誌のままではなく(アサグラは日一大きなグラフメディアだった)、手に取りやすいA5判の一冊になってはいるが、中身はまるごと当時のものだ。

    1446 夜 | 松岡正剛の千夜千冊
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