いきとは、江戸時代に生じ、時代に従って変転した美意識(美的観念)で、遊興の場での心意気、身なりや振る舞いが洗練されていること、女性の色っぽさなどを表す語[1]。 「いき」は、単純美への志向であり、「庶民の生活」から生まれてきた美意識である。また、「いき」は親しみやすく明快で、意味は拡大されているが、現在の日常生活でも広く使われる言葉である。 反対語は「野暮(やぼ)」または「無粋」である。 「いなせ」とは、「男気があって粋なさま」[2]ないし「勇み肌でいきな若者、また、その様子」[1]を表す語。「いき」を意味に含むが、主に男性の気風についていう語である。寛政期に日本橋魚河岸の若者の間で流行した「鯔背銀杏」という髪型に由来する[3][2]とも、「往なせとも」と上方言葉で唄う勇み肌の地回りがいたことから[1]ともされるが、未詳[4]。 魚河岸などの江戸職人や侠客など、履いた鼻緒の長い鯔背足駄とと