「君の名は。」が大ヒットしている。8月下旬の公開という「ぎりぎり夏休み映画」にもかかわらず、本命と言われていたハリウッド大作やメイドインジャパン怪獣映画を押しのけ、どんどんと興行収益を上げている。 公開からわずか10日間で38億円を稼ぎ、原作小説は72万部を突破。劇中音楽と主題歌を担当したRADWIMPSの映画サントラもヒットチャートを賑わしている。これほどまでに日本人の心をつかむ「君の名は。」とは何なのか? キリスト教牧師の視点からこのブームを検証し、映画を評してみたい。 まず何といっても、監督の新海誠の絵がきれいであることが万人受けする魅力だ。実写かCGか?と思わせる緻密な絵は、スタジオジブリとは異なるアニメーションの魅力を存分に発揮している。そして音楽。主題歌というと普通は1曲だが、この映画には4曲の主題歌があり、それがとても効果的に使われている。スピード感あふれるイントロに乗った演