ラオスの首都・ビエンチャンには、ラオス発展の大きな力となった「ナムグムダムプロジェクト」で命を失った日本人たちのお墓がある。彼らは、アジアの発展に寄与して活躍する道半ばで、命を落とした日本人たちである。埋葬されてから40年が経過しているが、今の日本人にはまったく知られておらず、ラオスのお寺でひっそりと供養されている。 ナムグムダムは日本人が開発した、ラオスで最初の水力発電ダムである。開発には、日本工営、三井物産、間組、日立製作所、酒井鉄工など多くの日本企業が関わっている。貯水池総面積は370km2と、福岡市とほぼ同じ面積の巨大なダムである。 現在、ラオスの電力は100%自然エネルギーの水力発電によるものである。水力発電は、産業が未発達だったラオスにとっては、1970年代より輸出額の20~60%を占める重要な外貨獲得手段であった。発電した電気は隣国タイへ売電を行ない、30年間で4.6億ドル(