朝青龍問題は、なぜ闇に葬り去られずに事件化したのか? なぜ、最近また日本の犯罪件数が減少傾向にあるのか? そのウラにある、共通した日本警察&検察に特有の問題点を、気鋭の法社会学者・河合幹雄が読み解く! ──まず、朝青龍の知人への暴行騒ぎと引退について。引退は当然、との見解が大勢を占める中、以前であればタニマチなどの仲裁でもみ消せたはず、という見方もあります。法社会学者のお立場から、河合先生はどうご覧になりましたか? 河合幹雄(以下、河) どういうケースだともめごとが顕在化するかというのは、法社会学のメインテーマのひとつですから、とても興味深く見ていました。まず、ああいうスキャンダルの裏側を見極める際には、2つの視点が重要になります。ひとつ目は、同様の問題を過去に何度も起こしていて、ついに進退窮まったのか、それとも、その問題一回で挙げられたのか、という点。朝青龍の場合は明らかに前者で、有能な