アウシュビッツ収容所を生き延びた少年、テーラー界 最高峰の名手へ。88歳現役が貫く「スーツ作りの流儀」 1947年、家族を虐殺されたユダヤ人少年は、ひとり、海を渡ってアメリカへとやってきた。 ポケットにはたったの10ドル。言葉も通じない。やっと見つけた仕事は、縫製工場の床掃除だった。 その移民少年はいま、歴代の米国大統領からハリウッドスターまでを顧客に持つ、ビスポーク・テーラー界の名手として知られる。 彼の名は、Martin Greenfield(マーティン・グリーンフィールド)。 今年で88歳を迎えるいまなお、約70年前と同じ工場に週6日も出勤する。二人の息子と100人以上にもなる従業員とともに「機械ではなく、手作り」の一貫した姿勢を貫くために。 孤独とアメリカンドリームと。 顧客リストには、オバマ大統領や、クリントン大統領、またレオナルド・ディカプリオなどハリウッドスターたちの名が並ぶ