デジタル変革(DX)化が進む中、膨大なデータを処理し判断する人工知能(AI)の役割が重要さを増している。物質・材料研究機構の研究グループは、脳の機能をまねた素子や回路で動く「脳型コンピューター」の要素技術を研究し、従来はソフトウエアに使われているAIをハードウエアであるデバイスに組み込もうとする。2050年には新機構を搭載し、自律的に学習や行動ができるロボットが登場するかもしれない。(冨井哲雄) 【演算処理不要】 深層学習に使うAIはプログラムに沿って数値計算の値を得るなどソフトでの活用を重視しており、ハードはデータの保存などAIには直接関与しない。 AIの利用には膨大なデータの計算が必要だが、AIの性能向上とともにその計算量も増え、将来はコンピューターの性能が限界を迎えると考えられている。そこで量子コンピューターの実現が期待されているが、現状では小型化や室温動作などに課題がある。 一方、
![自律的に学習・行動するロボット誕生へ、「脳型コンピューター」研究の現在地 ニュースイッチ by 日刊工業新聞社](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/3fad7d3d36ac75a30b8ea7ef366e72d3a3f07a9e/height=288;version=1;width=512/https%3A%2F%2Fimages.newswitch.jp%2Fimages%2FOom55yqEJprom7ffMS5JFPVZU7FY3GFxAnp7flbN.jpeg)