IoT(インターネット・オブ・シングズ)システムの企画や要求で出てきた夢や希望を、より具体的な「絵」や「図」として描くのが、IoTアーキテクチャーである。だが、形になっていない企画や要求を絵にするのは、幻を描写するような難しさがある(図1)。 IoTシステムを開発するうえで、アーキテクチャーはシステムの今と未来を示す道標であり、IoT開発の要である。 IoTと人工知能(AI)、ビッグデータの新時代には、ソフトウエア開発も変化し、アーキテクチャーの作り方も大きく変わる。IoTデバイスは無秩序につながり、無造作に繁殖する。AIは何を考えているのか設計者にすら分からない。ビッグデータは定義も項目も定まらず、まとまりもない。 IoTシステムは、IoTデバイスも、そこからやりとりする情報も、情報を伝えるネットワークも、情報を収集し分析するITシステムも、不確定な部分が多い。仕様は安定せず、常に変化す
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