例えば手元にある携帯電話。普段何気なく使っているこの機械の中にも、数千、数万にわたる特許が詰め込まれていると言われている。「ハンズフリー通話装置」や「電子メールアドレス通知システム」といった機能から、「携帯通信端末用無線通信システム、該システムで用いられる無線通信接続方法及び無線通信接続プログラム」、「携帯電話機を利用した自動文字コード認識、表示システム、方法およびプログラム」など、その名前からでは全く内容が想像できないようなシステムまで、細部にわたって複雑な特許の網が組み込まれている。 そんな特許を飯の種にしようと暗躍する人々が、「パテントトロール」と呼ばれる人々だ。別名「特許マフィア」と呼ばれるように、彼らの仕事は裏社会と密接につながりながら、違法ギリギリの手口で大企業から巨額の賠償金やライセンス料を巻き上げるというもの。もちろん、特許の所有者がその利用に対して金銭を請求することは間違
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