斎藤忠久の「財務で読む気になる数字」とは? グロービス・マネジメント・スクールそしてグロービス経営大学院で教鞭を執る、斎藤忠久氏による新連載。ファイナンスの観点から話題になったニュースを独自の視点で読み解くコラム。 ※本記事は、GLOBIS.JPにおいて、2008年8月1日に掲載されたものです。斎藤氏の最新の記事はGLOBIS.JPで読むことができます。 「この事業は赤字だが戦略的に重要なので、ぜひ実施したい」という話をよく聞く。一般的にはこの様な案件を戦略的赤字案件と呼ぶが、何故事業が赤字なのに実施しなくてはいけないのであろうか? プロジェクトAの現在価値は、この事業から生み出されるキャッシュフローの現在価値(NPV(A))であり、赤字ということはNPV(A)<0と言うことである。なぜ赤字なのに実施しなければならないのか? この謎を解く鍵がリアルオプション理論である。 例えば、プロジェク