「Amazon契約書に出版社員が激怒『論外』」(BLOGOS, 10/29)という見出しを見て、つくづくこの国には交渉の文化がないなと思った。アマゾンが郵送してきたものは提案にすぎない。極度のストレスでパニックを起こしかけている出版社関係者へのアプローチとしては感心できたものではないが、出版社の皆さんには頭を冷やし、内外の専門家からも情報を得て、必要な時間をかけて考えていただきたい。これは業界にとって未曾有の事態かもしれないが、外の世界では異常ではなく、したがって一時的でもなく、終わりにすることも出来ないのだから。 未知との遭遇 コミュニケーションのスタイルが国や文化圏によってごとに違うのは当然だが、ビジネスの世界はかなり平均化されてきた。しかし日本はそうではなく、業界ごとに慣習は違うし、新人はそれを叩き込まれ、またそれに誇りを持っている人も多い。出版は(他の規制産業と同様に)ほとんど無風