さよならアメリカ、さよなら中国（承前） - 内田樹の研究室

アメリカの経済がどうしてダメになったのか、ということについてはさきほど書いた。 次は中国の経済がどうしてダメになるのかという第二の論点である。 これはおおかたの見通しと共通すると思う。 誰でもが認めるのは「賃上げ圧力の強化」である。 日本企業が過去集中的に中国に生産拠点を移した最大の理由は「人件費コストが破格に安かった」からである。 だが中国は急速な経済成長を遂げた。そして、ニューリッチ層が出現し、桁外れの誇示的な消費行動を始めた。それが人々の「もっと金が欲しい」という欲望に火を点けた。 朝日新聞は昨日（１０月３０日）の「ルポチャイナ」で腐敗体質について報告している。 教育、医療、行政という「制度資本」の根幹部分に「拝金主義」が入り込んでいる。 教員採用試験の合否も袖の下次第。教師には保護者から賄賂攻勢がかけられ、「金品をもらった生徒を前の席に集め、丁寧に教える。あとの生徒はほったらかし」

[wackunnpapa]

君たちは賃金の奴隷になりたいのか？　そんなことはないだろう。では，何が賃金の奴隷を作り出すのか？　賃金そのものだ。わたしは君たちを賃金の奴隷から開放したい。さあ，賃金のことを忘れるのだ！ www

[andalusia]

おいおい。中国の労働者の賃金が高くなったのは「拝金主義が理由」かよ。そーゆーお方が「万国のプロレタリア、団結せよ」などと言っても、誰もついてこないと思うよ・・・

[p260-2001fp]

ブコメ参照

[fragilee]

社会的共通資本が軒並み崩れ始めている共同体がこの先どうやって生き延びることができるのか。中国政府はたぶん真剣に頭を悩ませていると思う。知恵があれば貸して差し上げたいが、何も思いつかない。

[Kitajima_Gaku]

RSS

[SasakiTakahiro]

社会的共通資本が軒並み崩れ始めている共同体がこの先どうやって生き延びることができるのか。

[miurakuraki]

中国は大丈夫だと思う。第2の中国を探しても見つからないと思う。

[Shin-JPN]

内田樹氏は古典的な意味での「きちんとした知識人」だと思っていたんだが・・・願望と事実の観測が混在しているようでは、話半分でしか読めないなあ、としか。

[mhkj2]

色々ご意見おありでしょうが、米国や中国の命運については多分その通りだと思います。でも、タダでは死なない。巨大な獣はのた打ち回って、周りにはぞっとするような禍を残して逝くと思います。知恵はないなんて・・

[tomhoo]

胡錦濤が目指していた民主的な社会づくりを進めればいい。その土壌は出来ているではないか、ネットを通じて。

[mizuki-yu]

この人は、賃上げ要求は労働者の権利ではなく拝金主義である、という意見なのかねと思う。もし対中国限定で「賃上げ要求」＝「拝金主義」という論理展開ならそれはそれで大いに問題だが

[abu1500]

大国の時代は終わるなあ。TPPを「ノアの方舟」と思う人もいるが、カチカチ山の泥船である。米倉はタヌキだ。