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ブックマーク / blog.goo.ne.jp/keisai-dousureba (148)

  • 「中国」の形成・貿易の起動力 - 経済を良くするって、どうすれば

    貿易は国の運命に決定的な影響を及ぼす。なぜなら、それが成長加速のカギになっているからだ。それを過去400年の中国史の中で感じさせるのが、岡隆司先生の『「中国」の形成 現代への展望』だ。通史の一冊であって、経済史的な読み方をするのは、マニアックなエコノミストに限られようが、技術と資があれば成長できるとする教科書的な見方とは異なる経済の実相がそこにはある。 ……… まず、明の滅亡からして、倭寇という名の貿易を禁圧しようとして失敗したところにある。そもそもの出自が商業集団の清は、「互市」という形で現実を受け入れ、秩序を回復していく。それくらい貿易の利益は強烈で、力で抑え込むことは難しい。この強烈さが西洋では大航海時代を生み出し、資金集めが資主義を形作り、産業革命と帝国主義へと結びつき、近代の中国に衝撃をもたらす。ロシアの東進も、毛皮の貿易の利益が大きくなったがゆえだ。 岡先生は、康熙の不

    「中国」の形成・貿易の起動力 - 経済を良くするって、どうすれば
    smicho
    smicho 2020/10/18
  • 緊縮速報・過去最大の家計のカネ余り - 経済を良くするって、どうすれば

    資金循環が公表されるつどに、お送りしていた緊縮速報だが、コロナ禍によって、「拡張」速報になってしまった。これは、しばらく続くことになるが、問題は、その後である。すぐに緊縮に戻り、成長の加速を阻害するというお定まりのパターンだろう。賽の河原のごとく、何度も同じ失敗を繰り返す。これが日の経済運営の特徴である。偶然にも正しい経済運営をしてしまい、結果的にデフレから脱出するという幸運はあるのだろうか。 ……… 日銀・資金循環における4-6月期の資金過不足は、一般政府が一気に前期比で-15.2兆円も減って、-19.0兆円の不足となり、反対に、家計は、前期比+14.1兆円の増で、+18.3兆円の余剰となった。コロナ禍で、政府が12.9兆円に及ぶ10万円給付金などの経済対策を実施する一方、家計消費が外出自粛によって前期から-6.2兆円も落ち込んだ結果である。財政赤字は大変なものだが、家計の貯蓄に移った

    緊縮速報・過去最大の家計のカネ余り - 経済を良くするって、どうすれば
    smicho
    smicho 2020/09/21
    >一律の10万円給付金の大半が貯蓄に回り、経済対策としてはカラ回りした
  • 日本の少子化対策はなぜ失敗し続けるのか? - 経済を良くするって、どうすれば

    低所得層の非正規の女性は、育児休業給付を受けられないし、乳幼児期に保育所へ入れるのも難しい。生活苦が見えているのに、どうやって、結婚して子供を持てと言うのか。結局、これを等閑視する社会の風潮が少子化をもたらしている。山田昌弘先生の新著『日少子化対策はなぜ失敗したのか?』は、その内実を、一つひとつ分解して説明をしてくれているように思う。 ……… 山田先生は、失敗の理由として、真っ先に、「キャリア女性の状況を前提とし、非正規雇用女性の声を聞いてこなかった」と指摘する。非正規の女性は、むしろ、多数派であるにもかかわらず、少子化対策の目玉である育休と保育の外に置かれているのだから、そうした批判になるのは致し方あるまい。少子化の大きな要因が、結婚後の出産数より、結婚の減少によることとも整合的だ。 なぜ、外に置かれているかと言えば、継続雇用、いわば、正社員であることが暗黙の前提になっているからであ

    日本の少子化対策はなぜ失敗し続けるのか? - 経済を良くするって、どうすれば
    smicho
    smicho 2020/07/26
    >非正規の女性は、むしろ、多数派であるにもかかわらず、少子化対策の目玉である育休と保育の外に置かれている
  • 衰退途上国・日本の現実を認めない人達 - 経済を良くするって、どうすれば

    経済のみならず、行政においても、韓国台湾が日の上を行く部分があると感じるようになって、随分と経つ。しかし、感染症対策で「韓国台湾ができるのに、なぜ、日はできない」と叫ぶ人を見ると、「すべてにおいて、日は上のはず」という驕った前提を、未だに改められず、20年続けた緊縮のために、日は、経済も行政も、隣国に置いて行かれているという情けない現実を認められないのだと思う。 ……… もし、給付つき税額控除の仕組みがあって、日常的に国民に還付する状況であったなら、コロナ禍で10万円を給付することは、すぐにもできただろう。税・社会保険料と結びついているから、一定の所得以下の人に限ることも簡単だ。緊縮と産業政策ばかりで、まじめに再分配に取り組まず、社会インフラとしての行政を疲弊させてきたから、他国ができることもできない。衰退途上の遅くれた国なのだから、できないのは当たり前である。 遅行国の現実を

    衰退途上国・日本の現実を認めない人達 - 経済を良くするって、どうすれば
    smicho
    smicho 2020/04/19
    >これで、ほとんどの人へ実質的に10万円の給付が行える
  • 緊縮速報・先手と総動員のポピュリズム - 経済を良くするって、どうすれば

    日銀から10-12月期の資金循環統計が発表になり、資金過不足で見た一般政府の財政赤字のGDP比は、2019年が-1.9%となって、前年より0.2の改善となった。2008年の-1.8%以来の少なさであり、こうした消費税の増収前の健全ぶりを踏まえれば、計画に拘り、危険を犯して消費増税を敢行する必要があったのかと、改めて問わざるを得ない。そして、締め過ぎれば、反動は大きくなり、危機に遭って、極端な財政出動が叫ばれ、苦難の緊縮は水泡に帰す。その後も見えており、財政赤字の急増に不安を感じ、逆に極端な緊縮へと走り、停滞を呼ぶ。不安への過剰な反応が投資と成長に不可欠な安定を害し続けることになる。 ……… 2019年の資金過不足については、各期の4期移動平均のGDP比の平均値を算出し、2018年より財政赤字が縮小したという結果を得たが、2019年内の動向を見ると、横バイ傾向にある。これは、緊縮が緩んだと言

    緊縮速報・先手と総動員のポピュリズム - 経済を良くするって、どうすれば
    smicho
    smicho 2020/03/23
  • 10-12月期GDP1次・消費墜落、回復不能 - 経済を良くするって、どうすれば

    10-12月期GDPが公表され、家計消費(除く帰属家賃)は、前期比-3.7%と墜落した。これは年率に換算すると-13.9%にもなる。前期の駆け込みの小ささを考えれば、2014年の増税時の落ち込みに匹敵し、消費は再び大打撃を被った。それでも、増税のせいだとは言わず、台風や暖冬によるとする人もいる。「緊縮は良いものだから、悪いのは災害に違いない」という信念は揺るぎないようである。 ……… 1/12のコラムで、10-12月期の家計消費の前期比は-3%を超えるおそれがあるとしていたが、残念ながら当になってしまった。その水準は、アベノミクスで最悪だった2014年4-6月期を下回り、民主党政権下の2012年より低く、今期以下は、東日大震災の打撃も冷めやらぬ2011年4-6月期まで遡らなければならない。更に言えば、日経済が初めてこの水準に達したのは、2006年1-3月期で、実に13年前への逆戻りと

    10-12月期GDP1次・消費墜落、回復不能 - 経済を良くするって、どうすれば
    smicho
    smicho 2020/02/23
  • 10-12月期の消費は、アベノミクスで最悪へ - 経済を良くするって、どうすれば

    週末に消費指標が公表され、事態は一層深刻であることが判明した。この分では、10-12月期の家計消費の前期比は-3%を超えるおそれがあり、そうなれば、前回消費増税時の2014年4-6月期を下回り、過去7年間のアベノミクスで最悪となる。この水準は、「悪夢のような」と腐される民主党政権の最終年より低い惨憺たるものだ。しかも、前回増税時より拙いのは、輸出の停滞で景気が失速しており、前回のような盛り返しが少ないまま、今後、L字型の推移が予想されることである。 ……… 11月の日銀・実質消費活動指数プラスは、前月比+2.7であったが、10月の-9.9からの戻りとしては非常に弱く、仮に、12月に、駆け込み前の4-6月期の水準まで、+2.4伸びたとしても、10-12月期の前期比は、-3.3にもなってしまう。増税による実質的な所得の低下を踏まえれば、4-6月期の水準まで伸びることには難しさがあるので、更なる

    10-12月期の消費は、アベノミクスで最悪へ - 経済を良くするって、どうすれば
    smicho
    smicho 2020/01/12
  • アベノミクス・消費を死なせ、地球に貢献 - 経済を良くするって、どうすれば

    景気が減速しているにもかかわらず、消費増税を強行したために、経済は、もう滅茶苦茶である。鉱工業指数が前回増税を上回る大打撃となり、商業動態・小売業が東日大震災以来の最低水準に沈んだ。2014年当時は、輸出が増えていたから、緩やかながらも、景気は回復して行ったが、今回は、輸出が低迷中であるために、底をはう状態が長く続くだろう。消費がよみがえるのは何年先か分からず、ことによると、もうないのかもしれない。つまり、消費は既に「死んでいる」のである。 ……… 11月の鉱工業生産の前月比は、「消費増税の反動減と台風被害が重なった」とされた10月の-4.6から、更に下げて-0.9となった。天気のせいではなかったようである。前回増税の2014年4-6月期の前期比は-3.0だったが、今回の10-12月期は、10,11月実績と12月の経産省予測の+0.4から、前期比-4.3になりそうで、前回を上回る大打撃と

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    smicho
    smicho 2019/12/30
  • 7-9月期GDP2次・虚しき上方修正 - 経済を良くするって、どうすれば

    2次速報によって、7-9月期の成長率は、実質年率1.8%に上方修正されたが、家計消費と設備投資の駆け込み需要に支えられたもので、実態はゼロ成長以下である。これに消費増税が加わる10-12月期は、消費の駆け込みの反動減を考慮しても、マイナス成長に陥ってしまう。景気の実態は、消費増税に攪乱されて見えにくくなっているが、深刻さを増しており、消費税の大打撃からの戻りがほとんどないL字型の様相が濃くなっている。 ……… 7-9月期2次速報では、各需要項目が軒並み上方修正された。最も大きいのは、設備投資が前期比+0.87から+1.78になったことである。しかし、ほとんどが駆け込み需要によるものと考えられる。なぜなら、設備投資は、追加的な3需要、すなわち、輸出、住宅、公共を足し合わせたものとパラレルに動くのが普通なのにもかかわらず、これとは大きくい違っての上昇になっているからである。 案の定、12/1

    7-9月期GDP2次・虚しき上方修正 - 経済を良くするって、どうすれば
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    smicho 2019/12/18
  • 景気が無に帰したアベノミクス - 経済を良くするって、どうすれば

    10月の景気動向指数は、先行指数に続いて、一致指数も95を割り、アベノミクス開始時の6年前の水準となった。アベノミクスでの景気回復は、無に帰したことになる。しかも、今後、L字で推移する公算が高く、希望退職が6年ぶりに1万人超えというのも当然だろう。また、消費動向指数は99.5と、6年間で最低だった2014年7月の99.3とほぼ同じ水準まで下落し、こちらも逆戻りである。そうした中、2019年度の税収は、不況にも関わらず、消費増税のお陰で前年度を超え、過去最高を更新する見込みだ。経済対策をするといっても、一時のバラマキだから、出生数の90万人割れをよそに、財政は安泰である。 ……… 景気動向指数は、既に先行指数が5月の段階で95を割り、アベノミクスで最低を記録していたが、10月に一致指数も大きく下がって、2013年2月以来の低水準となった。深刻なのは、一致指数の重要な構成項目の鉱工業生産の11

    景気が無に帰したアベノミクス - 経済を良くするって、どうすれば
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    smicho 2019/12/09
  • アベノミクス・消費増税で大震災級のシッョク症状 - 経済を良くするって、どうすれば

    10月の商業動態も鉱工業指数も惨憺たる数字だった。こんな具合だと、10-12月期の家計消費は、前期比-2.5%まで陥落し、東日大震災の2011年1-3月期の-2.5%、リーマンショックの2008年10-12月期の-1.9%を超えるかもしれない。もっとも、前回増税時の2014年4-6月期の-5.8%よりはマシだから、政策対応で小さく済んだと、そやす向きも出て来るだろう。いやはや、もっと凄い愚行をしたことがあるから、このくらいの愚行は平気だと、愚行比べをするようでは、この国の先は見えているよ。 ……… 商業動態・小売業の前月比は-16.3と、駆け込みがあった9月の+7.6を勘案しても、落ち込みは大きい。しかも、10月の水準は、物価を調整すると、前回増税の2014年4月や大震災の2011年3月を下回るレベルになると考えられる。11,12月の反動減の戻り方にもよるが、10-12月期の家計消費は、

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    smicho 2019/12/01
  • 年金不安の正体は「少子化」 - 経済を良くするって、どうすれば

    「高齢社会で必要な負担から目をそらすから不安なる」という主張は間違っていないが、若干、キレイごとのようにも聞こえる。団塊ジュニア世代は40歳代に入り、その子世代は7割の人数で親世代を支えなければならないことがほぼ確定した。耐えがたい負担ではないにせよ、重いことは否めない。これが逃れられない現実である。海老原嗣生さんの『年金不安の正体』を眺めつつ、その意味を少し考えてみたい。 ……… 団塊ジュニア世代は、子世代を3割減にする少子化を起こしてしまった、あるいは、少子化に陥れられてしまった。子供を3人以上持つ人もいるから、子供ゼロの人は半数近くに上る計算になる。原因は、価値観の変化もなしとはしないが、最大は、就職氷河期に直面し、経済的苦境に立ち、結婚がままならなかったことであろう。自己責任と言って切り捨てるには、忍びない事情がある。 7割の人数で支えると言うと、厳しく感じる人もいると思うが、1世

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    smicho 2019/11/24
  • MMTの語らないこと、聞くべきこと - 経済を良くするって、どうすれば

    L・ランダル・レイ教授の『MMT 現代貨幣理論入門』を読ませてもらったが、肝心なことを語っていないように思うね。MMTは、煎じ詰めれば、「財源には制約がないのだから、失業がある限り財政を使うべし」という考え方になる。肝心なのは、その失業が、なぜ、生じるかである。このメカニズムを明らかにしないから、主流派経済学との議論は、かみ合わないものになっている。 ……… 主流派経済学では、失業は存在し得ないものだ。在るにしても短期的である。なぜなら、合理的な経済人は、利益を最大化するよう行動するため、失業者が資と組み合わされないまま、ムダに放置されたりしないからだ。したがって、金融を緩和し、資調達のコストを低くすれば、いずれ解消されるはずとなる。財政政策は、タダで使えるものだとしても、そもそも無用だし、弊害だってあるだろうとなるのである。 MMTが狡猾なのは、財政政策の制約はインフレのみであるとし

    MMTの語らないこと、聞くべきこと - 経済を良くするって、どうすれば
    smicho
    smicho 2019/10/13
    >肝心なのは、その失業が、なぜ、生じるかである。このメカニズムを明らかにしないから、主流派経済学との議論は、かみ合わないものになっている
  • 未来の財・サービスは、今、消費できない - 経済を良くするって、どうすれば

    未来に収穫するコメを、今、べるなんて、不可能なことくらい、誰でも分かる。ところが、財政学者は、「国の借金は将来世代の負担になる」と軽く言ってくれるんだよね。今の世代が財政赤字を出して消費を増やしたら、将来世代が消費する分が減ってしまうのだろうか。もし、それが当なら、申し訳なく思うし、緊縮もしたくなるけれど、そもそも、不可能なことを、上手いこと言って誤魔化しているような怪しさがある。 ……… 実は、国の借金が将来世代の消費を減らす場合というのは、非常に限られている。それをあたかも、いつもそうであるかのように語るのは、ウソになる。これは、マクロ経済の知識がないと分からないことだから、一般の人はコロリと騙されてしまう。最も分かりやすい例は、外国から借金をする場合だ。特に、外貨建ての場合は苛烈で、将来世代は、飢餓輸出をしてでも外貨を獲得し、借金を返さなければならなくなる。 しかし、日は世界一

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    smicho 2019/09/29
  • 誰かの借金は、誰かの貯蓄 - 経済を良くするって、どうすれば

    マクロ経済で最も重要な概念は、「誰かの借金は、誰かの貯蓄」である。どうも「貯蓄」というと、蔵の中の米俵とか、金塊とかをイメージするようだが、蓄えた米は劣化して無価値になるし、金塊とて、少子化で受け取る人が居なくなれば、無価値になる。貯蓄とは、人から何かを得る「権利」であり、借金とは、人に何かを与える「義務」であって、一対でもって始めて意味を持つ。ところが、財政赤字というと、片面だけしか見えなくなるようである。 ……… ダメな財政学者は、赤字の削減を叫んでも、それで余らせた貯蓄を誰が使うかを考えない。主流派の経済学では、財政赤字が減ると、金利が下がり、設備投資が盛んになって、貯蓄が有効に使われるというのが標準的な考え方だが、今の日では、金利の下がりようがないので、緊縮財政は、単に経済の縮小させるだけになる。少なくとも、外需が補う状況でないと非常に危いことになる。 実際の経済では、設備投資

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    smicho
    smicho 2019/08/27
    >こんな有様に反発して、消費「減税」を唱える向きもあるが、もし、本当にやってしまうと、輸入を急増させて終わり(略)消費税は、下げるにしても、小刻みにやらないと、ショックを与えるだけ
  • アベノミクス・止まらない景気の悪化 - 経済を良くするって、どうすれば

    増税まで、あと2か月を切ったのに、景気の悪化が止まらない。6月の鉱工業指数は、ネガティブ・サプライズだったが、かなり深刻だ。生産の101.1という水準は、3年前の2016年10月以来の低さである。やはり、4,5月の上昇は季節調整のいたずらだったようで、原数値で読み取れるように、むしろ、景気の悪化は加速している。英国でのハードブレグジット政権の発足、米国の利下げによる円高に、対中関税引上げ第4弾と、外需にリスクが押し寄せる中、何があっても財政再建で、消費の圧殺に挑む日である。 ……… 鉱工業指数は季節調整値で見るのが普通だが、4-6月期は休日増の攪乱があったので、出荷の原指数を12か月後方移動平均で眺めると、下がり続けであることが分かる。特に、景気の先導役である設備投資の動向を表す資財(除く輸送機械)の落ち方は急である。それでも、全般的に設備投資が底堅いとされるのは、輸送用については4-

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    smicho 2019/08/04
  • 緊縮速報・2018年度もデフレの仕組みが駆動 - 経済を良くするって、どうすれば

    新たな発見をするときに、思わず口を衝く言葉は、「わかった」ではなく、「おかしいな」だとされる。既存の考え方の枠組に矛盾するような現象との出会いこそ、セレンディピティである。日の公債残高はGDPの2倍にもなろうというのに、なぜ、インフレの気配もなく、デフレに沈んでいるのだろう。ここで「いずれ必ず破綻する」と唱え続け、「おかしいな」と考えなければ、何も見つからない。せっかく、奇妙さに直面しているというのに。 ……… 少し遅れたが、6/27公表の1-3月期日銀・資金循環では、4期移動平均で見た「中央+地方政府」の資金過不足のGDP比は-2.0%と、前期から若干の低下だった。これにより、2018年度内4期の平均は-2.3%となり、前年度より1.1%改善した。加えて、社会保障基金(主に公的年金)の資金過不足も0.2%改善しているので、いわば、財政収支の赤字は、GDP比で1.3%も縮小したことになる

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    smicho 2019/07/08
  • 財政赤字の不可欠性とコントロール - 経済を良くするって、どうすれば

    財政赤字と言うと、「赤字」という言葉だけで、何やら悪いもので、少ないほど良いとイメージされがちだが、赤字と黒字は表裏一体であり、MMT論者がよく指摘するように、誰かの赤字は誰かの黒字だから、赤字のみを減らすことはできない。すなわち、財政の赤字を減らそうとするなら、企業、家計、海外のいずれかの黒字も減らさなければならない。財政赤字の削減は権力で可能でも、「民間黒字」を削減するために、設備投資、消費、輸出を無理やり増やすわけにはいかない。こうした非対称性への無理解が成長を度外視する財政再建論を生むのである。 (図) ……… 主流派の経済学では、財政赤字を削減すると、資金需要が減って、金利が低下し、設備投資が刺激され、緊縮で失われた需要が補われると考える。これが当だと、設備投資の増加で成長が加速するから、財政再建は「良いこと」でしかない。ただし、日の場合は、金利に低下の余地がないので、このメ

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    smicho 2019/06/24
  • マクロ経済にとっての生産性とは何か - 経済を良くするって、どうすれば

    豊かになるためには、労働生産性を上げなくてはならない。働き手を増やしたり、勤めを長くしたりすることには、限度があるからだ。そうなると、より多くの生産をしようとするなら、設備投資をして、装備する資を増やす必要がある。すなわち、労働生産性を上げるということは、設備投資をするということなのだ。その際、できるだけ効果の高い設備投資を選ぶべきは当然だ。焦点は、どうやって設備投資を増やすかである。今回は、ミクロの生産性まで論じている宮川努先生の『生産性とは何か』を参照しつつ、考えてみたい。 ……… 何に設備投資が最も左右されるかというと、経験的には明らかで、需要である。売上が増えると見込めば、設備投資するという平凡な事実だ。ところが、そうなると、生産性の向上が成長を生み出すのか、逆に、成長が生産性の向上をもたらすのか、因果関係が不分明になる。実際には、相互作用があるわけだが、ともすると、革新性があれ

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    smicho 2019/01/14
  • 2019年の日本経済はどうなる・財政は輪をかけた緊縮 - 経済を良くするって、どうすれば

    歳出がいくら膨らんでも、それ以上に税収が伸びているなら、緊縮予算である。財政当局は。歳出の増大ぶりをアピールするので、放漫財政になっている印象を受けるが、きっちり収支差は縮めている。経済的には、そちらが遥かに重要な情報だ。年初めは、景気がどうなるかの予想で賑わうが、そう簡単ではない。しかし、財政なら読める。しかも、結構な影響力があるから、この地道な作業を怠ってはいけない。2018年は、輸出が停滞する中での緊縮となったため、消費低迷に苦しむことになった。そして、2019年も、同等以上の緊縮が貫かれる予定である。さすれば、2019年の景気は、輪をかけた悪戦になると見るべきではないか。輸出が崩れずに済んだとしてもね。 ……… 緊縮が成功するか否かは、ひとえに輸出にかかっている。緊縮でも大丈夫だったという事例は、よく見ると外需が伴っていたものばかりである。2014年の消費増税は、かなり過激で、冷や

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    smicho 2019/01/07