「人流」を政府はキーワードにしており、これまでの「飲食限定」よりも一段と厳しい措置に進んだというアナウンスメント効果を狙っている。実際に、今回は感染が報告されていない大型商業施設などにも休業要請が行われた。厳しい措置を採らなければならないのは、人々が「自粛疲れ」で感染抑制を軽視するようになったため、というのが政府の考えのようだ。 一方、人々の自粛疲れにはさまざまな要因が考えられる。変異株は感染しやすいとの報道からこれまでの感染対策は効果がないと思われたこと、自粛の長期化によって生活が成り立たなくなっている人や事業が少なくないこと、拙速な「Go Toキャンペーン」や政府・当局者の会食報道などで政府に対する不信感が高まったこと、などである。政府への信頼性が低下したことで、さらに厳しい対策に追い込まれるという「協調の失敗」を引き起こしてしまった点は非常に残念である。 政策の前提として人流データの