一冊ずつ手間暇かける手製本とはまた別に、まとまった数、均質で不備なく限られた予算と時間で仕上げる商業製本の現場には、わたしたちには想像もつかない工夫がたくさんあります。最近の雑誌やサイトを参考に、ちょっとのぞいてみてみましょう。(文中敬称略 2004.3記) 「製本・加工ここまでできる!」 すごいぞ!この製本・加工/凝った製本・加工本図鑑/製本の基礎を知ろう 取材協力:図書製本、大口製本、凸版印刷、match and company hity編集部、美篶堂 『二万千百九十一俺』、『姑獲鳥の夏』、『魍魎の匣』、『愛だからいいのよ』の四冊の製本装丁を一部再現しているのがいい。装丁家のアイデアと製本スタッフの技術力。両者が全く違う視点からやりとりすることで、さまざまな制約をのりこえられる。たとえば『二万千百九十一俺』。装丁はマッチアンドカンパニーの町口覚。これはすでに5、6年あたためていた「弾が