あなたは大きな決断を下す際,事前にどのくらいの時間をかけて調べるだろうか? 実のところ,多くの人はほとんど時間をかけない。例えば自動車を購入する場合,ほとんどの人はせいぜい2軒のディーラーに足を運ぶだけだ。どの医師にかかるかを選ぶ場合も,多くの人は友人や家族の薦めを参考にするだけで,医療の専門家に相談するとか,健康関連ウェブサイトや良医に関する記事といった情報を参照することはしない。 もっと重大な決断をするのに備えて知的資源を温存しているのかというと,そうでもない。米国人の5人に1人は,自分の将来の経済状況について考えるよりも,次の夏休みをどう過ごすかの計画を立てるのに多くの時間を使っている。 何かを選択するにあたってすべてを事細かく検討する人はいるし,考えすぎに陥るのも確かによくはない。だが,かなりの人は速断で結論に飛びついている。こうした飛躍した考え方は一種の「認知バイアス」であり,特
![拙速な思考は陰謀論に弱い](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/dbcb3df4829ccc734080f8e4df3162fc09582655/height=288;version=1;width=512/https%3A%2F%2Fwww.nikkei-science.com%2Fwp-content%2Fuploads%2F2022%2F05%2F202207_054.jpg)