→紀伊國屋書店で購入 「消えたのに忘れることができない道具を巡って」 明治生まれのおじいちゃんの遺品を整理していた友人が言った。「おじいちゃんと一緒に暮らしていたころは食卓に家族それぞれの箸箱を置いていた。大切にしていたんだけれど、いつのまになくなったんだろう」。私にとっては箸箱なんて子どものころにお弁当に持っていったくらいで、しかもたしかパティ&ジミー柄のプラスチックのものだった。という話をしたら、その家ではおじいちゃんが木でそれぞれの箸入れを手作りしてくれたのだと言う。大きさや柄もばらばらで名前も彫ってあったそうだからさぞや大切なものだったろうし、だからこそその家の特別に素敵な思い出だと思っていた。 山口昌伴さんが『季刊道具学』(道具学会)で連載していた「くらしの道具小事典・消えた道具たち——そして失ったもの」をまとめた『ちょっと昔の道具から見なおす住まい方』に、その箸箱が出てくる。山
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