一般論として、宇宙船の打ち上げから宇宙空間でのプロジェクトの進行、地球に再突入という宇宙開発の過程で、最も困難なプロセスが最後の大気圏への再突入にあるといわれている。大気と船体との間に生じる膨大な摩擦熱のコントロールにその理由はある。 人工衛星などの場合、そのほとんどの機体はデブリ(宇宙ゴミ)として落下し、地表に到着するまでに燃え尽きるため被害を出すことはないが、宇宙ステーションのような大型の機体となると話は別になる。特にエンジンなどの金属密度の高い塊は、燃え尽きてしまう前に地球に激突することになる。 通常大気中で燃え尽きないような大型のデブリは、人口密集地帯などへの落下を避けるように落下時の突入角度などのコントロールによって大洋に落下させているが、この中国が打ち上げた天宮1号は、現状制御不能に陥っているのである。 2011年に打ち上げられたこの天宮1号は、中国の宇宙開発の象徴として、無人