修士課程の大学院生だった頃,指導教員の授業を取ると「10本論文」という課題をやらされた.自分の好きな分野で論文を10本読み,個々の論文の関係をまとめろという課題である.論文の関係というのは,例えば「著者が同じ」「研究室が同じ」「引用関係にある」「後続の研究である」などである.全ての論文を読んで,こういった関係をノードとエッジで作図し,プレゼンするというのが課題である.作ってみると木構造になりがちで,なかなか循環しない.1つ中心となる研究があり,その論文を参考にしながら分野の体系が広がっていくことがわかる. 当時私は本当にビチョビチョになりながら10本読んで報告した.今になってみると論文を10本読む程度になぜあんなに苦労したのか謎である.学部から修士に進むにあたって専門領域を変えたので(応用物理→情報系),単純に慣れてなかったのだろうと思う.個々の論文を深く読みすぎたり,研究のコントリビュー