坂を転がり落ちるような勢いで、韓国の経済が減速している。特に、半導体企業の業績悪化は深刻だ。中国の減速に加え、世界的なスマートフォン販売台数の伸び悩みなどが、サムスン電子などを直撃し始めた。中国経済の減速が鮮明となる中で、輸出依存度の高い韓国経済が持ち直す展開は想定しづらい。 減速懸念を払しょくするには、政策の役割が欠かせない。しかし、韓国の文政権が長期の視点で経済の改革を進めるのは難しい。なぜなら、経済の減速を受けて同政権の支持率が低迷しているからだ。文政権は、目先の人気確保に注力せざるを得なくなっている。今後、韓国は一段と厳しい状況に直面する恐れがある。 世界の半導体市況と韓国経済 近年の韓国経済は、財閥系企業による半導体の輸出増加によって景気を支えてきた。それが、政治にも無視できない影響を与えてきた。 韓国にとって大きかったのが中国のIT投資だ。2015年、中国の習近平国家主席はIT