観光客の増加で混雑が深刻化している京都市バスについて、同市は現行の「後(うしろ)乗り・前降り」から「前乗り・後降り」に変更することを決めた。これに伴い、運賃も現在の降車時から、乗車時の「先払い」に。乗客の降車をスムーズにして混雑の緩和と定時運行をねらったもので、実現すれば約半世紀ぶりの「方向転換」となる。 市バスは長年、後ろ扉から乗車し、前扉から降車する際に運賃を払う方式を採用してきた。しかし市交通局によると、急増する訪日客が不慣れなためか、近年は運転手がいる前方に人が集まりがちに。支払いに手間取ることもあり、混雑やダイヤの乱れの一因になってきた。 そこで、乗客に前から乗り運賃を先に払ってもらって後方に導き、そのまま降ろすことで改善できないか、昨年10月以降、複数の週末に実証実験した。対象は、JR京都駅から清水寺、祇園、銀閣寺などを巡り、観光シーズンには最も混雑する「100号系統」の全便。