私は会議室で、経営者と役員の話を聞いていた。 彼らは来期の教育研修計画について、話し合っていた。 「私はね、そろそろ、教育研修を社員に提供する必要はないと思っているんですよ。」 と経営者はいう。 「確かに、やる気のない人に、投資をすることの愚かさを、ここ数年、痛感してきました。」 と、教育研修の責任者もいう。 私は「何があったのですか?」と聞いた。 経営者は言った。 「いやね、できる人は「何でも役に立ちます」と素直に勉強してくれるのですが、仕事ができない人ほど、研修プログラムに対しての文句が多いんですよ。これがない、あれがない、って。」 「そういう人は多いのですか?」 「それほど多いわけではないです。ただ、我々は「できない人」にこそ、学んでもらいたいと思っていたのですが、どうやら逆効果のようなんです。」 「具体的には?」 「研修を用意しても、感謝されるどころか、自分の知識が足りないのは、会