──あ、ペンライト。 ライブハウス内のあちこちでピカピカと切り替わる色が、三年前と比べてファン層が拡張されたことを象徴しているようでした。 2023年、ピノキオピーワンマンライブ『パラレルエッグ+ in LIQUIDROOM』。そう、有観客のピノキオピーワンマンライブを観に行くのは2019年『五臓六腑』以来実に三年以上ぶり。この日の主役であるピノキオピーさんは、そのコロナ禍中にリスナーを多く増やしたアーティストの一人です。 開演前。目の前の人も両手にペンライトを握っています。氏がテーマソング『愛されなくても君がいる』を書き下ろしたマジカルミライ2020の、初音ミクが描かれたペンライト。これは以前のライブでは見られなかった光景です。 というのもこのピノキオピーというアーティスト、一般的には人気ボカロPと呼ばれる肩書きでありながら、"ボカロに対して強い熱量を持っている層"と"ピノキオピーに対し