<概要> 働き方改革関連法案に含まれる高度プロフェッショナル制度は、労働者のニーズがないまま立法化されようとしている。その中でニーズのヒアリングとされた12名のヒアリング結果について、加藤大臣が1月31日の参議院予算委員会で虚偽答弁を行っていたことが判明した。 わずか12名へのヒアリング結果が高プロの「ニーズ」調査? 労働基準法の労働時間規制をはずし、使用者が労働時間規制に縛られずに労働者を働かせることを可能とする高度プロフェッショナル制度(高プロ)について、労働者にそのニーズを聞き取ったとされるヒアリング結果をめぐる疑義が、社民党の福島みずほ議員によって参議院厚生労働委員会で呈されている。 ことの経緯の概略は、筆者が把握している限りにおいて、こうだ(より詳しい経緯があると思うが、把握しきれていない)。 まず、5月9日の衆議院厚生労働委員会において、立憲民主党の岡本あき子議員が、高プロのニ
裁量労働制を巡る不適切な調査データ問題に関し、厚生労働省が撤回した裁量制の労働時間に加え、一般労働者の労働時間も撤回する方針であることが分かった。政府関係者が明らかにした。厚労省は問題発覚後、内容の精査を進めていたが、一般労働のデータも不適切だったと判断した。近く全体の結果を公表する。 問題の調査は厚労省の「二〇一三年度労働時間等総合実態調査」で、労働時間の一日の平均値は一般労働九時間三十七分、裁量制九時間十六分。このデータを基に安倍晋三首相が「裁量制が一般労働より短いというデータもある」と答弁していたが、裁量制の一日の労働時間が「一時間以下」など、延べ四百件を超える異常値が見つかり、政府が「働き方」関連法案から裁量制の対象拡大を削除する事態となった。 一般労働も一日の残業時間が「四十五時間」などの異常値が多数含まれ、厚労省は実態を正確に反映していないと認定。労働基準監督官による聞き取りに
<概要> 裁量労働制のほうが一般の労働者より労働時間が短いという安倍首相の答弁で用いられた不適切な比較データ。「ねつ造」ではないとされているが、政府と厚労省の説明には不自然な点が多数。5回連載で改めて検証する。 <全5回の連載目次> ※第2回 ※第3回 ※第4回 筆者作成はじめに 働き方改革関連法案は大型連休直前の4月27日(金)に審議入りし、連休中の5月2日(水)に衆議院厚生労働委員会で7時間の質疑が行われた。いずれも、日本維新の会を除く野党6党が欠席する異常事態の中で、強行されたものである。この次は9日(水)の衆議院厚生労働委員会で審議が行われるかが、当面の焦点である。 労働基準法の労働時間規制のほとんどを適用除外する(労働者を労働法の保護の外に追いやる)高度プロフェッショナル制度の創設を含んだまま、短時間の審議で法案の強行採決がねらわれているという噂もあり、今後の情勢は予断を許さない
<概要> 裁量労働制のほうが一般の労働者より労働時間が短いという安倍首相の答弁で用いられた比較データ。連載第2回の今回は、この比較データの作成方法を示し、これがうっかり作れるようなものではないことを論証する。 <全6回の連載目次(改訂版)> ※第1回 ※第3回 ※第4回 筆者作成はじめに 本連載は全5回を予定していたが、連載の第2回用に用意した記事が長すぎてシステム上掲載できないらしいので、連載第2回の記事として用意した分を第2回と第3回の2回に分けて、連載は全6回で掲載することにする(予定)。 前回の連載第1回では、撤回された安倍首相と加藤大臣の答弁(それぞれ1月29日、1月31日)を紹介し、その答弁が、裁量労働制の拡大に伴う長時間労働の助長と過労死の増大への懸念を示す野党の質疑に対し、反証のように用いられていたことを見た。 また、その答弁のもとになった参考資料と、さらにそのもとになっ
<要旨> ● 政府・与党は働き方改革関連法案について、裁量労働制の拡大は削除したものの、高度プロフェッショナル制度は盛り込む姿勢を示している。長時間労働を助長し過労死を増やすという野党の指摘に、向き合う姿勢はない。 ● 裁量労働制をめぐる全く不適切な「比較データ」について、どのような動機で作られたものであったか、加藤大臣も厚生労働省も、真相究明を行う姿勢をいまだに全く見せていない。課員の認識不足やミスであったかのように説明している。 ● しかし「比較データ」は、認識不足やミスで作成できるものではない。加工のためには調査結果冊子にないデータの入手が必要であった。加藤大臣は作成の経緯を聞いて、「特段、不自然なところもない」と思ったというが、それはありえない。 働き方改革関連法案が、いよいよ閣議決定されて国会に提出されそうな情勢になってきた。 自民党は3月29日に、厚生労働部会などの合同会議を開
投稿履歴「首相答弁にそった改変側と阻止側の“編集合戦”」 一定のルールのもとで誰でも自由に編集できるインターネット百科事典「ウィキペディア」で、生活水準を測る指標の一つとしてなじみ深い「エンゲル係数」のページが凍結され、編集できない状態となっている。投稿履歴をたどると、係数上昇の理由について安倍晋三首相が国会で答弁した直後、これに合わせて内容を改変しようとする側と阻止を試みる側の“編集合戦”が過熱していた。【和田浩幸】 「エンゲル係数」は中学校で習う経済指標だ。家計の消費支出総額に占める食料費の割合で<一般に値が高いほど生活水準は低い>とされる。総務省の家計調査によると、2人以上の世帯の係数は2005年に22.9%で底を打ち、その後は横ばいが続く。第2次安倍政権以降は13年(23.6%)に上昇に転じ、16年(25.8%)まで4年連続で上昇。17年も高止まりだ。
「意図的ではなかった」。裁量労働制を巡る厚生労働省のデータ問題で、同省は19日、条件の違う二つのデータを比較したことについて、担当者の認識不足が原因と説明した。一方、野党側は、裁量労働制の対象拡大を含む働き方改革関連法案に関し、「都合のいいデータを捏造(ねつぞう)したのでは」と、追及の手を緩めない。 19日にあった裁量労働制のデータを巡る野党の会合。議員からは「不適切どころか、全く違うデータを出している」などと政府への批判が相次いだ。出席した厚労省の担当者は「おわび」を繰り返した。野党側が疑念を抱いているのは、問題のデータは裁量労働制の対象拡大を実現するため、政府が作ったのではないかという点だ。立憲民主党の長妻昭代表代行は「官邸主導で指示が下りてきて、今回の事件が起きたのではないか。撤回して…
速報 朝刊 記事一覧 紙面ビューアー 夕刊 記事一覧 紙面ビューアー 連載 特集 ランキング コメント その他 動画・音声・写真 土曜別刷り「be」 記者イベント 天気 数独 12星座占い サイトマップ 検索 ヘルプ Q&A(よくある質問) 総合ガイド お申し込み ログイン マイページ 有料会員紙面ビューアーコース登録済み 無料会員(クーポン適用中)紙面ビューアーコース登録済み 無料会員紙面ビューアーコース登録済み 朝日ID会員朝日新聞デジタル未登録 紙面ビューアーコース お客様サポート(個人設定) お客様サポート(個人設定) メール設定 スクラップブック MYキーワード 会員特典・プレゼント 提携プレミアムサービス ログアウト
文部科学省が学習指導要領の改訂案で「聖徳太子」「鎖国」など、歴史上の人物や出来事などの表記を変えたことに対し、「教えづらい」「わかりにくい」などの批判が集まり、同省が一転、元に戻したり、復活させたりすることがわかった。こうした修正を反映した新指導要領は今月末に告示される。 文科省は15日まで、改訂案についてパブリックコメントで意見を募ったが、特に不評だったのが聖徳太子の表記。改訂案では、小学校で「聖徳太子(厩戸王〈うまやどのおう〉)」、中学校は「厩戸王(聖徳太子)」としていた。学会などの歴史研究を踏まえたもので、小学校ではよく知られた「聖徳太子」を、中学校では史実を重視して「厩戸王」を前に出した。ところが、「小中で表記が異なると教えづらい」といった声が相次ぎ、国会でも「連続性がなければいけない」「歴史に対する冒瀆(ぼうとく)だ」と批判された。 このため、文科省は小中とも「聖徳太子」に戻し、
リリース、障害情報などのサービスのお知らせ
最新の人気エントリーの配信
処理を実行中です
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く