タナカヨ暦53年―― ライトノベル大陸の情勢は混迷の一途を辿り、同胞であるはずのライトノベル民族同士でさえ激しく争う戦乱の時代となっていた。 西方のスーパーダッシュ王国がオターク帝国から賢人トール=ホンダーを招き、富国強兵に励んでいたその頃、南方ではエムエフジェイ王国が宰相ヤマグッチと将軍クワシマーのもと軍備増強を図っていた。それを察したファミ=ツゥ国は名将タグッチィ=センネンドーに軍を預け、エムエフジェイ王国に備えることとなった。 スニーカー帝国はナガール=タニガアを総司令官に据えて捲土重来を期し、東西のフジミ王国をまたにかける若き天才コーヘィ=アザノンもまた、虎視眈々と勢力拡大を狙っていた。 東の山脈を越えた向こうでは、ミステリ王国では"ファウスト党"、エスエフ帝国では"リアル・フィクション派"と、それぞれで親ライトノベル民族派が台頭し、またファンタジー王国は王家の跡継ぎ問題に揺れてい