新聞の「特殊指定」をめぐる記事を検索していると、こういうインタビューが出てきた。−−新聞の特殊指定制度廃止を急ぐ公取委の動きをどう見ますか。 ◆公共経済学の問題だと思いますね。公共経済学ってのは要するに、世の中には、市場原理にゆだねてはいけない公共財というものがあるんだってことを経済学的に勉強するんです。 −−新聞は公共財だと思いますか。 ◆もちろん、そう思っています。(毎日新聞4/19)答えているのは、長尾龍一氏(日大教授)。法哲学者でよかったね。経済学者が公の場でこんな発言をしたら、学者生命を失うだろう。公共財というのは「非競合的」で「排除不可能」な財だ、というのは大学1年生の教科書にも書いてある。新聞は、競合的で排除可能な「私的財」である。 こういう人の頭にある「市場原理」というのは、公共性と無縁なエゴとカネの世界なのだろう。しかし経済学のもっとも重要な発見は、市場原理は公共