タグ

ブックマーク / honz.jp (26)

  • え?日本語ってこんなに前のめりな言葉やったんか! 『会話の科学 あなたはなぜ「え?」と言ってしまうのか』 - HONZ

    え?日語ってこんなに前のめりな言葉やったんか! 『会話の科学 あなたはなぜ「え?」と言ってしまうのか』 言語がどのように生まれたかに興味を持つ人は多いのではないか。なによりも人間を人間たらしめている大きな理由のひとつは言語なのだから、当然のことだろう。すこし前に書評を書いた『言語はこうして生まれる:「即興する脳」とジェスチャーゲーム』は、そのあたりを論じたである。 周囲の人に何かを伝えるために言語が生まれた。最初から単語、ましてや文法があった訳ではない。まずはジェスチャーゲームのようなものから言語の体系が生まれてきたのではないかというのが、『言語はこうして生まれる』の内容だ。すべての言語に共通する「普遍文法」を理解する能力が遺伝的に備わっているという、あのチョムスキーの「生成文法」理論に真っ向から刃向かう考えで、たいそう面白かった。 言語の「自然発生」を考えれば、この説の方が正しそうで

    え?日本語ってこんなに前のめりな言葉やったんか! 『会話の科学 あなたはなぜ「え?」と言ってしまうのか』 - HONZ
  • 『人は2000連休を与えられるとどうなるのか』前代未聞の実験の果てに辿り着いた場所とは……? - HONZ

    連休。なんと甘美な響きだろう。 ラジオの番組作りの仕事は面白いのだが、ネックは休みがとりづらいことかもしれない。先日のゴールデンウィークも、「最大10連休」なんてニュースで伝えながらまるで他人事だった。10日なんて贅沢は言わない。3日間でいいから続けて休んでみたい。 わずか3連休でも羨ましく感じるくらいだから、2000連休なんて桁が違いすぎて想像することすら難しい。著者は6年間にも及ぶ休み(正確には2190連休)を体験した。そこにあったのは巨大な空白だったという。これほどの空白を与えられると、いったい人はどうなってしまうのか。 一見、軽めのサブカルエッセイのようだが、とんでもない。書は世にも奇妙な人体実験の記録である。理系ということもあってか(京都大学工学部卒)、著者の言葉はきわめて精確で、曖昧な表現にとどまることがない。そうした解像度の高い言葉で、自身に生じた微細な変化が記録されている

    『人は2000連休を与えられるとどうなるのか』前代未聞の実験の果てに辿り着いた場所とは……? - HONZ
  • 『闇の脳科学「完全な人間」をつくる』 その先駆者の栄光と悲劇、そして「脳操作」の現在と未来 - HONZ

    同性愛の「治療」を受ける男。娼婦を相手に性的興奮を得ることができれば成功だ。男の頭には電極が差し込まれており、後頭部から4のコードが隣の部屋まで延びている。その部屋では、研究者たちが電極から送られてくる計測値を見ながら、男の快楽中枢に適切な電気刺激を与える。 まるでSFだ。しかし、未来の話としてはおかしいと思われないだろうか。現在の状況を考えると、LGBTが治療対象となる未来などやってくるはずがなかろう。未来物語でもなければ架空のストーリーでもない。米国で実際におこなわれた人体実験なのである。 書『闇の脳科学 「完全な人間」をつくる』の冒頭シーンがこれだ。いったいどんな内容のなのか。意識せずとも期待感が広がっていく。まるで脳のどこかに電気刺激が与えられたかのように。 この実験をおこなったのは、精神科医ロバート・ガルブレイス・ヒース。統合失調症病などさまざまな精神疾患に対して、患者

    『闇の脳科学「完全な人間」をつくる』 その先駆者の栄光と悲劇、そして「脳操作」の現在と未来 - HONZ
  • 『ブルシット・ジョブ クソどうでもいい仕事の理論』世界はくだらない仕事にあふれてる - HONZ

    待ちに待った邦訳がようやく出た。 デヴィッド・グレーバーの『ブルシット・ジョブ』である。 「ブルシット・ジョブ」とは、「クソどうでもいい仕事」のことだ。 もう少し丁寧に説明すると、「なんのためにあるのかわからない、なくなっても誰も困らない仕事」のことである。 近年、私たちの身の回りでブルシット・ジョブが増えている。 そして、確実にこの手の仕事は、働く人々の心身を蝕んでいる。 多くの人がこのことにうっすら気づいていたようで、2013年に著者があるウェブマガジンで「ブルシット・ジョブ現象について」という小論を発表したところ、国際的な反響を呼んだ。書はこの小論をベースに、その後の調査や考察を加えて一冊にまとめたものだ。コロナ禍でエッセンシャル・ワーカーに注目が集まる中、時宜にかなった出版といえる。まさにいま読むべき旬の一冊だ。 著者のデヴィッド・グレーバーは、イギリスの名門大学、ロンドンスクー

    『ブルシット・ジョブ クソどうでもいい仕事の理論』世界はくだらない仕事にあふれてる - HONZ
  • 『反穀物の人類史──国家誕生のディープヒストリー』 農業の優越性という神話、国家の形成をめぐるパラドックス - HONZ

    『反穀物の人類史──国家誕生のディープヒストリー』 農業の優越性という神話、国家の形成をめぐるパラドックス いまからおよそ1万年前、人類は農業を発明した。農業が生まれると、人びとは必要な栄養を効率的に摂取できるようになり、移動性の狩猟採集生活から脱して、好適地に定住するようになった。そして、一部の集住地域では文明が興り、さらには、生産物の余剰を背景にして国家が形成された──。おそらくあなたもそんなストーリーを耳にし、学んだことがあるだろう。 しかし、かくも行き渡っているそのストーリーに対して、書は疑問符を突きつける。なるほど、初期の国家はいずれも農業を基盤とするものであった。だが、人類はなにも農業を手にしたから定住を始めたわけではない(後述)。また、メソポタミアで最初期の国家が誕生したのは、作物栽培と定住の開始から4000年以上も後のことである。それゆえ、「農業→定住→国家」と安直に結び

    『反穀物の人類史──国家誕生のディープヒストリー』 農業の優越性という神話、国家の形成をめぐるパラドックス - HONZ
  • 『僕らはそれに抵抗できない 「依存症ビジネス」のつくられかた』誘惑に勝てないのは意志が弱いせいじゃない - HONZ

    スティーブ・ジョブズは自分の子供たちにiPadを使わせていなかった――彼はその影響力をもって世界中に自社のテクノロジーを広める一方で、プライベートでは極端なほどテクノロジーを避ける生活をしていた。デジタルデバイスの危険性を知っていたから。彼だけでなく、IT業界の大物の多くが似たようなルールを守っている。まるで自分の商売道具でハイにならぬよう立ち回る薬物売人みたいではないか……。 そんなツッコミで幕を開ける書は、フェイスブックやツイッター、インスタグラム、ソーシャルゲームといったデジタルテクノロジーが持つ薬物のような依存性をわかりやすく噛み砕いて分析した一冊である。ネット依存を題材としたは他にもあるが、書が類書とちょっと違うのは、こうした依存症ビジネスを否定・糾弾するのではなく、人間心理への深い理解を促すことに重心が置かれている点だ。著者はニューヨーク大学の行動経済学や意思決定の心理学

    『僕らはそれに抵抗できない 「依存症ビジネス」のつくられかた』誘惑に勝てないのは意志が弱いせいじゃない - HONZ
  • 『事実はなぜ人の意見を変えられないのか』 不都合な真実から目を背ける人たち - HONZ

    具体的な数字やデータを示してもダメ。明晰な論理で説いてもムダ。そんなとき、あなたはきっとこう思ってしまうのではないか。「事実はなぜ人の意見を変えられないのか」。 実際問題、日々の生活でそんな思いを抱いてしまう場面は少なくないだろう。失敗例がすでにいくつもあるのに、それでもまだ無理筋を通そうとする社内のプレゼンター。子育てのあり方をめぐって、何を言っても聞く耳を持ってくれないパートナーなど。また不思議なことに、たとえ高学歴の人であっても、「事実に説得されない」という点ではどうやらほかの人と変わらないようだ。 さて書は、冒頭の問いを切り口としながら、人が他人に対して及ぼす「影響力」について考えようとするものである。心理学と神経科学の知見を織り交ぜつつ、著者は早々に厳しい診断を下す。 多くの人が「こうすれば他人の考えや行動を変えることができる」と信じている方法が、実は間違っていた…。 数字や統

    『事実はなぜ人の意見を変えられないのか』 不都合な真実から目を背ける人たち - HONZ
  • 『ネオナチの少女』ドイツに根づくナチズムという悪夢 - HONZ

    書の題名は『ネオナチの少女』となっているが、著者のハイディ・ベネケンシュタインは自らを「ネオナチ」とは定義していない。「ネオナチの人々とは、思想も生い立ちもまったく違う」と言い切る。彼女はかつての自分を「ナチそのもの」だと定義する。 現代の若い女性が「ナチ」を名乗るのは少し奇異に感じるが、書を読み進めるとすぐに合点がいく。 彼女の祖母はヒトラーユーゲントの女子部門であるドイツ少女団の出身で現在もナチ信奉者。父は公務員で自信に満ちあふれカリスマ性を持つ男だが、やはりナチの信奉者だ。著者は幼少時よりナチズムの教育を受けて育った。 その徹底ぶりはすさまじく、敵性語として英語の使用が禁止されていたほどだ。さらに幼少の頃から、ヒトラーユーゲントの正統な後継団体であるドイツ愛国青年団で、準軍事教育や思想教育を叩き込まれた。 ドイツ愛国青年団のキャンプに参加する子弟のほとんどが医者や弁護士など中流階

    『ネオナチの少女』ドイツに根づくナチズムという悪夢 - HONZ
  • 【連載】『全国マン・チン分布考』第1回:京都の若い女性からの切実な願い - HONZ

    京都の若い女性からの切実な願い 1995年5月初旬のことです。ユニークな内容が書かれた一通の手書きの依頼文が、『探偵!ナイトスクープ』に寄せられました。そのころはまだパソコンが普及していませんでしたから、依頼は必ず、はがきか手紙で寄せられました。 手紙をくれたのは、京都市内に住む24歳の女子学生でした。地元京都で学生になる前に、東京で働いていた時期があったようです。この依頼はまさにこののテーマ、なんと「女陰」の名称の全国方言分布図を作成してほしいと求める内容だったのです。こんなお願いが、若い女性から、しかも大真面目な文章で寄せられてくるとは、夢にも思っていませんでした。 私たちに依頼文が届いたのは、1991年5月24日に「全国アホ・バカ分布図の完成」編を放送してから、ちょうど4年が経ったころでした。この放送をきっかけに、私が「アホ・バカ方言」の研究を仕事の合間に始め、『全国アホ・バカ分布

    【連載】『全国マン・チン分布考』第1回:京都の若い女性からの切実な願い - HONZ
  • 『ほぼ命がけサメ図鑑』これが世界でただ一人、サメ専門ジャーナリスト・沼口麻子の生きざまだ! その①  - HONZ

    やばい、遅刻だ! 必死で走る私。バッグの中には、『ほぼ命がけサメ図鑑』。 その日私は、世界でただひとりのサメ専門ジャーナリスト(シャークジャーナリスト)であり書の著者でもある、沼口麻子さんと会う約束をしていた。が、池袋駅前で道に迷ってしまっていた。 サメ――海に行ってもお会いしたくない生物の代表格。「凶暴な海のハンター」というイメージをもつ人も多いことだろう。 ところがそのサメを追い求めて、サメの情報発信を生業としている女性がいる。しかも、6年がかりで執筆した『ほぼ命がけサメ図鑑』は発売後わずか5日で重版したというではないか! 『ほぼ命がけサメ図鑑』は、サメの生態など科学的な紹介から料理など人との関係、サメQ&Aに研究現場の紹介などなど、内容盛りだくさんのサメへの熱い想いにあふれる一冊である。 これはもう、著者に会ってみたいと思わないほうが、おかしいのではないか。 時間ぎりぎりに、汗だ

    『ほぼ命がけサメ図鑑』これが世界でただ一人、サメ専門ジャーナリスト・沼口麻子の生きざまだ! その①  - HONZ
  • 『選択しないという選択 ビッグデータで変わる「自由」のかたち』とはいえ選択は終わらない - HONZ

    選択できるということは途方もない利益をもたらす。そして、選択できることは好ましいことと考えられている。一方で、同時に多大な負担を強いる。人間の時間と集中力は限られており、ときに不合理な選択や行動をしでかす。すべての選択について都度立ち止まって学習することは難しく、それが楽しいとも限らない。 だから、人類は歴史を通じて様々な工夫をしてきた。ナッジ(Nudge)はその工夫の1つであり、iNcentives(インセンティブ)、Understand mappings(対応付けの理解)、Defaults (デフォルト)、Give feedback(フィードバック)、Expect error(誤ちの予見)、Structure complex choices(複雑な選択の構造化)で構成される。 例えば、人間の損失回避性を利用したインフルエンザの予防接種の例がある。 1.この秋、インフルエンザの予防接種を

    『選択しないという選択 ビッグデータで変わる「自由」のかたち』とはいえ選択は終わらない - HONZ
  • 『「全世界史」講義 教養に効く! 人類5000年史』 学びを超えた知的エンターテインメント - HONZ

    のっけから著者に反論申し上げたいことがある。出口さんは「まえがき」で、「積み重ねられた歴史を学んで初めて、僕たちは立派な時代をつくれるのではないか」という。つまり書は良き未来を創りあげるという目的のために、テキストとして読むことができると言っているように聞こえるのだ。 たしかに歴史から学ぶべきこと、いや書から学べることはあまりにも多い。それは歴史だけでなく、生き様や人間関係、組織経営に至るまで、読んでいて気付かされることが多いのに驚くばかりだ。 しかし、書は時代をつくるという崇高な目的のためだけのものではないように思われるのだ。いやそれ以上に、純粋に読む愉悦に浸ることができるだと断言できる。これからの時代を考えることはひとまず脇に置いて、早く次のページを開きたいと思わせる書は高度に知的なエンターテインメントでもあるのだ。 書を読むときのイメージは「人類5000年史」という名

    『「全世界史」講義 教養に効く! 人類5000年史』 学びを超えた知的エンターテインメント - HONZ
  • マンガ新聞 - 漫画の記事・無料連載・新刊情報・おすすめ漫画レビュー

    プロレスには人生の大切な全てが詰まっている!『パパはわるものチャ... 2018年09月23日 プロレスは人生の縮図だ。 人生では勝つことも負けることもあるけれど、勝ってばかりだと面白くないし、反対に負けてばかりでもやるせない。 絶対に勝たなければいけない時もあるし、勝ちを譲った方が良い場面...

    マンガ新聞 - 漫画の記事・無料連載・新刊情報・おすすめ漫画レビュー
  • マンガ新聞 - 漫画の記事・無料連載・新刊情報・おすすめ漫画レビュー

    プロレスには人生の大切な全てが詰まっている!『パパはわるものチャ... 2018年09月23日 プロレスは人生の縮図だ。 人生では勝つことも負けることもあるけれど、勝ってばかりだと面白くないし、反対に負けてばかりでもやるせない。 絶対に勝たなければいけない時もあるし、勝ちを譲った方が良い場面...

    マンガ新聞 - 漫画の記事・無料連載・新刊情報・おすすめ漫画レビュー
  • 『この世界が消えたあとの科学文明のつくりかた』文明再起動マニュアル - HONZ

    先週末30年ぶりにシリーズ続編として公開された『マッドマックス 怒りのデス・ロード』は突き抜けて凄まじい、破壊的なエンターテイメントだった。崩壊した地球文明の後に残った脳筋の男共が滅茶苦茶に改造されもはや原形が何だったのかさっぱりわからない車とバイクに跨り、何故か火を吹くギターを持って、裏切り者の女共を追いかけ上映時間の殆どをカーチェイスに費やす。走れども走れども砂漠以外何も見えない、荒廃した大地。資源は限られ少ない物資をヒャッハー!! と、暴力によって奪い合う、力こそ正義! な地獄絵図な世界が広がっている。 しかし、仮に核戦争なり宇宙人の侵略なり異常気象なり隕石の衝突なり、原因をどこに求めるにせよ、文明がいったん崩壊してしまったとしたら、当にそんな破滅的な状況になるのだろうか? 失われてしまった文明はもはや戻らないのか? 逆に復興できるとしたら、どうやって? 書は書名である『この世界

    『この世界が消えたあとの科学文明のつくりかた』文明再起動マニュアル - HONZ
  • マンガ界の底上げ『荒木飛呂彦の漫画術』 - HONZ

    1980年代、週間少年ジャンプは『ドラゴンボール』、『キャプテン翼』、『聖闘士星矢』、『キン肉マン』など黄金タイトルが並んでいた。その中で『ジョジョの奇妙な冒険』は異色の漫画に思えた。しかし十数年の時を経て、それは大きな間違いだと気づいた。著者の荒木飛呂彦は連載当時から王道漫画を描いていたのだ。 書は全く人気が衰えることのない長期連載漫画『ジョジョの奇妙な冒険』の作者、荒木飛呂彦による漫画の描き方の解説である。これまで明かすことの無かった漫画制作の秘密を、作品を題材にしながら披瀝している。 また著者は「漫画は最強の総合芸術」と断言し、漫画以外の創作活動に活かせる話も書は満載である。クリエイティブな人間にとって必携の一冊と言える。例えば絵を描く際に必要な「美の黄金比」や、ヘミングウェイに学んだストーリー作りなど具体的な方法論が解説されている。 著者はこれらの方法論を「道に迷わないための

    マンガ界の底上げ『荒木飛呂彦の漫画術』 - HONZ
  • マンガ新聞 - 漫画の記事・無料連載・新刊情報・おすすめ漫画レビュー

    『腸よ鼻よ』11指腸 2018年09月29日 澄み渡る青い空と透き通るような海、白い砂浜のある南の島――沖縄。 この島に生まれ、蝶よ花よと育てられた1人の少女がいた。 彼女の名は島袋全優。 漫画家を志し、いずれは大都会東京での タワーマ...

    マンガ新聞 - 漫画の記事・無料連載・新刊情報・おすすめ漫画レビュー
  • マンガ新聞 - 漫画の記事・無料連載・新刊情報・おすすめ漫画レビュー

    周りの男子すら見ず、夢しかみていない女子は物の恋を掴めるのか?... 2018年09月26日 この物語は、“憧れ”ばっかり女子が、物の恋を、物の彼氏を見つけていくストーリー。 物語の主人公は年末のカウントダウンイルミネーションに行くことを夢見る女子高生、小桜ののか。 高校生になりすぐ...

    マンガ新聞 - 漫画の記事・無料連載・新刊情報・おすすめ漫画レビュー
  • 『ぼくは物覚えが悪い』海馬を失った男は、永遠に続く30秒を生きた - HONZ

    今年も残すところあと1ヶ月となり、年忘れという言葉も聞こえてきた。皆さんにとって2014年はどのような年であっただろうか?そして来たる2015年のことを考えた時に、どのような感情が沸き上がってくるだろうか? 年の瀬ともなると、私たちは過去の出来事を頭の中で再現し、その情動を元に未来へ思いを馳せる。年を忘れるというくらいだから、辛かったことや不安な出来事を思い出す方も多いのかもしれない。いずれにせよ私たちは「今」という瞬間を疎かにするくらい、記憶というものに縛られながら生きている。それならば未来もなく過去もなく、現在進行形しか存在しない世界に行けば、不安を取り除くことは出来るのだろうか。 1953年、一人の男がてんかん治療のための脳手術を行った。左右の内側側頭葉を摘出するという実験的な手術であったものの、発作は無事に抑えられるようになる。しかしこの手術は、関わった全ての人にとって決して忘れら

    『ぼくは物覚えが悪い』海馬を失った男は、永遠に続く30秒を生きた - HONZ
  • 『闇金ウシジマくん』フリーエージェントくん編について、堀江貴文が聞く!真鍋昌平-堀江貴文対談 Vol.1 | マンガ新聞

    ※この記事は2014年8月11日にマンガHONZ(運営:株式会社マンガ新聞)にて掲載した記事の転載になります。 レビュアー:東海林 真之 “闇金融”の日常と債務者たちのリアルな人間関係を描く『闇金ウシジマくん』。ドラマ化・映画化もされた同作品の今、これから、作られ方などについて、堀江貴文(以下、堀江)が切り込みます。 作者であるマンガ家真鍋昌平(以下、真鍋)は、どのような取材を行い、あの生々しい人間描写を行っているのか。内容はもちろんのこと、堀江が真鍋をインタビューしていたはずが、途中から真鍋による堀江のインタビューになっていく、一連の流れにもご注目ください。 取材した「フリーエージェントくん」はどんな人だったのか 堀江 ところで、ウシジマくん(※)は、これからどうなっていくんですか? もう今の話は終わるんでしょうか。 ※ 『闇金ウシジマくん』: 「ビッグコミックスピリッツ」(小学館)に不

    『闇金ウシジマくん』フリーエージェントくん編について、堀江貴文が聞く!真鍋昌平-堀江貴文対談 Vol.1 | マンガ新聞