ゆで上げたナマコが次々と天日干しされた=愛知県南知多町、古沢孝樹撮影 中国市場向けにナマコの天日干しが愛知県南知多町豊浜で始まった。高値取引が続き「黒いダイヤ」とも言われる高級食材だ。いつもなら魚やじゃこが並ぶ乾燥場が黒一色になった。 干しナマコは、高級珍味このわたをつくるため腸を抜いたあとのクロナマコやアオナマコを使う。数年前までは大半が捨てられていた。 丸ごとゆがいて干す。3、4回繰り返すと、元のナマコの体積の1割以下になる。水でもどして調理する。江戸時代にもアワビやフカヒレとともに中国に輸出し、外貨を稼ぐ貴重な「俵物」だった。 再び生産するようになったのは、経済発展を続ける中国都市部の需要が増えたため。卸の浜値は1キロで3万円前後。本格復活への取り組みが早かった北海道や三陸では盗難事件も相次ぎ、警備会社に乾燥中の見張りを依頼するほどの警戒ぶりだ。 知多半島で復活させた水産会