超新星残骸「カシオペヤ座A」をX線で観測した画像。左下の赤い部分が、金属元素が外側に飛び出した構造(NASA、理化学研究所提供) 太陽の10倍以上の質量を持つ星が起こす「超新星爆発」の仕組みについて、素粒子ニュートリノが物質を加熱することで引き起こされていた証拠を観測したと、理化学研究所が率いる国際共同研究チームが発表した。英科学誌ネイチャーに21日、論文が掲載された。 質量の大きな星は進化の最終段階で、自らの重さに負けて重力崩壊することがきっかけとなって大爆発を起こすが、そのメカニズムは十分に解明されていなかった。ノーベル物理学賞を受賞した小柴昌俊氏が成功したニュートリノの観測結果を手がかりに、重力崩壊で大量に放出されるニュートリノのエネルギーが物質を加熱し、衝撃波を加速して爆発に至るとする説が有力視されてきた。理論的な研究は進んでいたが、観測による決定的な証拠は得られていなかった。 チ