世間ではインフレや通貨安の問題には気付き始めているようだが、ほとんどの人々は自分の持っている日本円が下落しているという事実に危機感を持っているようには見えない。だがインフレや通貨安は、ものの価値が上がっているのではなく自分が貯金している日本円の価値がなくなってゆくことなのである。 何故人々はそれに気づかないのか。アダム・スミス氏は『国富論』においてそれを解説してくれているので、ここで紹介したい。 インフレと通貨の価値 例えば仮に紙幣印刷や現金給付で物価が倍になったとすれば、それは紙幣の価値が半分になったということである。別に紙幣を印刷したから世の中に存在する商品の価値が2倍になったわけではない。紙幣の印刷と商品の価値に因果関係はない。 それはものの価値が上がったのではなく、中央銀行や政府の行動によって紙幣の価値が下がったのである。だがインフレを嘆く人々も、そのほとんどは相変わらず価値の下が

