でも、だ。いままで何度かブルーインパルスの飛行展示を見て、一度としてその模型を作ったことがない。なぜなら、ブルーインパルスは6機でひとつの画として機能するし、白く伸びたスモークが3次元的にその機動を束の間描き出し、やがて空に薄く消えていくあの光景こそが本体だからだ。自分の家の机の上にチョンと1機のT-4が置いてあっても、それは”ブルーインパルス”ではなく、それを構成する要素のひとつでしかない。たとえ6機作っても、それを青い空間に立体的に配置する術はない。なんて難しいモチーフなんだろう。 多くの人がSNSでつぶやいていたとおり、今回の飛行展示にはスモークを引かないグレーの機体が随伴していた。美しい編隊から少しだけ距離をおき、6機をときにエスコートするように、ときに後ろから応援するように機動するあの機体は、フライトの全てを記録し、安全を確保するのに不可欠だった。全ては決まりだ。アイツを作れば、