前回書いた、90年代とゼロ年代の主人公像の話をもっと普遍化して―― 葉鍵系に代表される90年代美少女ゲームブームから派生した「90年代的な作品群」と、新本格ブームを原点とすると思われる「ゼロ年代の作品群」の全般的な傾向を図表化して比較対象してみました。 ここでは仮に「90年代的」「ゼロ年代的」という表現を使っていますが、これはあくまでほかに言いようがないゆえの便宜上の表現であって、2008年〜09年においても、電撃の『とらドラ』、ジャンプの『To Loveる』など、「90年代的傾向」を持つ作品は十分な成功を収めています。 その一方で、たとえば『ラブひな』と『ネギま!』の差異を鑑みるに、「普通の主人公から特異な主人公へ」「情報量の抑制から情報量の過剰へ」「ご都合主義から厨設定へ」などといった傾向は確かに存在していると思います(人命軽視の流れまで受け入れなかったのは良識でしょう)。 こういう傾