「研究史」に書き記したとおり、この10年ほど、あちこちに書き散らした「バカ・エッセイ」が100篇以上あります。ほんらいは、そのまま反古となって消えて行く運命のテクストではありますが、こういうものがけっこう好きという人もおりますので(うちのお兄ちゃんとか)かくは筐底から引き出した古原稿をサイバースペースに復刻する次第です。 題してSimple man simple dream。これは私の大好きなJ・D・サウザーの小品の題名からお借りしました。「バカな男のとほほな夢」です。 私は「正義のひと」が嫌いである。 何がはた迷惑といって、「私は正義のひとである」と堅く信じてみじんも疑わない人ほど邪魔臭いものはない。 「正義のひと」はすぐに怒る。「正義のひと」の怒りは私憤ではなく、公憤であるから、歯止めなく「正義のひと」は怒る。 「正義のひと」は他人の批判を受け入れない。「正義のひと」を批判するというこ